2017.08.07

【パラサポNews】東京初開催の「企業対抗あすチャレ!® 運動会in TOKYO 2017」~16企業がパラ競技を体験しながらチーム戦

8月5日、東京・世田谷区の日本体育大学で日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)は「企業対抗あすチャレ!® 運動会in TOKYO 2017」(協賛/ジェイティービー)を開催。よしもと「パラスポーツ芸人」チームをはじめ、16企業から300名が参加し、パラスポーツ5競技(ポートボール、ボッチャ、シッティングバレーボール、ゴールボール、車いすリレー)による対抗戦を行った。

 

パラサポが主催する「あすチャレ!® 運動会」は5月からスタートし都内での開催は初。パラリンピックの正式競技やオリジナルのパラスポーツを取り入れて行う新しい形の運動会で、パラスポーツ普及の一環として始まった。


パラリンピック競技のシッティングバレーボールを体験

真剣な表情でボッチャのボールを投げる



開会式では、日本財団パラリンピックサポートセンターの山脇康会長が開催意義を述べている。

「皆さんにパラスポーツに触れていただき、関心を持ってもらうために企画しました。東京パラリンピックまであと1116日。今日がパラスポーツが盛り上がる歴史的な1日になれば。ぜひパラスポーツのファンになってください!」

続いて、スタッフの山本恵理が「記録ではなく、記憶に残る運動会にしましょう!」と気勢を揚げると、参加者は「i enjoy !」と声を揃えて応え、イベントは幕を開けた。


選手宣誓は、参加企業を代表してパナソニックの濱田秀崇さんが行った

参加者たちの「i enjoy !」のかけ声で幕を開けた

静まり返ったあと、歓声が響くゴールボール

大会は4ブロック4チームに分かれての総当たり戦。勝ち、引き分け、負けによって点数が配分され、合計点の高さによって順位が決められた。各競技が始まる前にはパラリンピックサポートセンター推進戦略部の伊吹祐輔プロジェクトリーダーが笑いを誘いながらのトークで、大部分の参加者にとって初めてとなるパラスポーツのルールを説明した。まず、競技はゴールボールからスタート!

「視覚障がい者が行うパラリンピック競技で、目隠しを着用して3対3で行います。下手投げしたボールがゴールラインを抜けたらポイント。選手はボールのなかの鈴の音や相手選手の動くかすかな音を頼りに攻めたり、守ったりします」(伊吹)

「Quiet Please」というアナウンスのあと、試合がスタートするとざわめいていた会場は静まり返り、ボールがバウンドする音や鈴の音だけが響いた。しかし、ボールが相手ゴールを破れば「よーーし!」と盛り上がる場面も。

よしもとチームの一員として出場した大西ライオンさんは「大きい声を出したら怒られるので、芸人にとってはつらかったです」と言いつつも、持ち芸の「心配ないさ~」はもちろん、「しっかりせいや!」といったゲキで会場を盛り上げた。

さらに午前の部は車いすリレーの予選が実施され、この時点で120点のマークしたアシックスが1位、続いて100点を出したパナソニック、ミライロ、全日本空輸(ANA)の3チームが追う形になった。


目隠しをしてプレーするゴールボール

よしもと芸人らがプレーが途切れた瞬間に声援を送る!

白熱した車いすポートボールでエアライン対決を制したのは……

午後の部は、ボッチャ、シッティングバレーボール、車いすポートボール、車いすリレー本戦が順に行われた。なかでも白熱したのが車いすポートボールだ。

 

ゴールポストをゴールマンに変えたバスケットボールに似たこの競技では、航空会社の日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)が顔を合わせた。すると司会者や吉本芸人が両社をおおいに煽り、ANAの「優勝は逃しても、ここだけは絶対に負けられない!!」という絶叫でスタートを切った。

両社とも自社のバルーンスティックで派手な音をかき鳴らし、大声を張りあげる中、選手も一気にヒートアップ。互いが果敢に進路を防ぎボールを奪いあったり、白熱のあまり、ゴールマンが台から転がり落ちる場面も。試合は結局、終了3秒前に追加点を加えたJALが2-0で勝利した。


参加者は大声援の中で車いすを漕いだ

「本当はライバル心なんてなく、仲間みたいな気持ちです(笑)。それにしてもこのイベントは楽しいですね。そこによさがあります。たとえば、私たちは様々なお客さまにサービスするためスタッフたちに障がいを持つ方との接し方も勉強しなさいと常に話しているんです。ですが簡単に理解は進まない。でも、こうして目を覆ったり、車いすに乗ってみてスポーツすることで、楽しみながら障がいを持つ人の立場を知ることができる。これはすごいことだと思うんです」


このように振り返ったのはJALの小西一史さんだ。さらにANAのキャプテン・諏訪自子さんはこう話す。

「現在、障がいを持つお客さまで航空機を利用しているのは、乗り慣れた方が多いんです。ですが、私たちはもっと乗ったことがない方が気軽に航空機を利用していただけるようにどうしたらよいか、考えるために参加しました。
また、弊社のメンバーは80社ある様々な関連会社から参加しています。飛行機を飛ばすには、多くの人の力を結集する必要がある。このイベントには、いろんな人と気持ちをひとつにするチームビルディングの意味があるようにも思いました」

航空会社対決の後は、JALとANAが一緒になって応援する楽しそうな風景も。どこよりも熱い声援を送り続けていたANAは、閉会式で応援が素晴らしかったチームに贈られるパラサポ特別賞を受賞した。


チームワークを高めた車いすポートボール

航空会社の垣根を越えて一緒に応援!

車いすリレーを制したアシックスが逆転優勝!

運動会のフィナーレを飾ったのは、車いすリレー本戦。午前中に実施された予選を勝ち抜いた4チームが出場した。スタート前の総合順位は1位ミライロ、2位アシックス、3位ANA、4位日本電信電話(NTT)に。このうちリレー本戦に出場できたのはアシックスのみで、アシックスがリレーで上位に進めば逆転、進めなければミライロが逃げ切るという展開になった。

派手な声援が飛ぶなか、スタートを知らせるホイッスルが鳴ると、序盤からアシックスが大量リード。一度も先頭を譲らずにゴールし優勝を決めた。喜びを爆発させたアシックスの小林優史主将はこう語る。

「本当にうれしい! 車いすに乗ったり、目を覆ったりして、いろいろな体験ができました。ルールを工夫をすれば、健常者も障がいがある人も同じ条件で楽しくスポーツができることがわかりました。また参加したいです!」

一方、心底悔しがったのは、2位のミライロの代表取締役で車いすユーザーの垣内俊哉主将だ。

「私は小中高と、他の人と一緒にスポーツする機会はありませんでした。でも、こういうイベントは一緒になってできるスポーツがあることを多くの人に知らせてくれる。それがうれしい。今日は負けましたが、このイベントには大きな意味がありますし、どこで開催されても私たちは優勝するまで出場し続けます!」

なお閉会式では、上位3チームにボッチャをプレーするためのセットが贈られた。フィナーレは車いすバスケットボールの元日本代表・根木慎志が「今日はスポーツが好きな人も運動が苦手な人も楽しく過ごせたはず。みんなが輝ける素敵な社会を作っていきましょう」と力強く閉会宣言。スタート同様、参加者全員が「i enjoy !」と声を揃えて、イベントの幕は閉じた。


トップでゴールテープを切るアシックスチーム

上位チームにはボッチャのボールセットが贈られた。
プレゼンターはパラサポ山脇会長(左端)、ジェイティービー青木尚二執行役員(右端)が務めた

<その他の参加者の声>

●イダリアン(よしもと芸人/障がい者スポーツ指導員)
「健常者も障がいを持つ人も、一緒に楽しくやれるスポーツがあるということを多くの人に知ってもらえるいいイベントでした!」

●怪獣・坂口さん(よしもと芸人)
「車いすに乗ったり、初めての体験ばかりでした。障がいを持つということがどういうことなのか、少しわかった気がします」

●麒麟・田村裕さん(よしもと芸人/飛び入り見学)
「皆さん楽しそうで、僕も参加したかったです!」


よしもと芸人は会場を盛り上げながら競技に参加した

どこよりも応援を楽しんでいた全日本空輸チーム



●青木尚二さん(ジェイティービー執行役員)
「障がいのある方が身近にいない方も、この運動会で理解を深める機会になったのではないでしょうか。また、パラスポーツを実際にやってみて、選手たちの凄さを改めて感じました」

<順位>

①アシックスジャパン 360点
②ミライロ 330点
③JXTGエネルギー 290点
④ワン・トゥー・テン・ホールディングス 270点
④全日本空輸 270点
⑥日本電信電話 260点
⑦日本財団 240点
⑧オイシックスドット大地 230点
⑨パナソニック 200点
⑩野村ホールディングス 180点
⑪西尾レントオール 170点
⑫ジェイティービー 150点
⑬凸版印刷 140点
⑭よしもとクリエイティブ・エージェンシー 110点
⑭日本航空 110点
⑯近畿日本ツーリスト 100点


text&photo by Parasapo
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