2016.02.20

【クロスカントリートリースキー】[2016ジャパンパラ競技大会 ]日本チームを牽引する新田と阿部が優勝。その背中を追う若手も躍動!

クロスカントリートリースキーの2016ジャパンパラクロスカントリースキー競技大会は、12日から14日にかけて白馬クロスカントリー競技場 (スノーハープ)で行われ、男子立位でバンクーバーパラリンピック金メダリストの新田佳浩が、クラシカル(10km)、フリー(5km)ともに、急成長を見せている14歳の川除大輝を抑えて優勝した。

エースのプライドを見せた35歳の新田


高校生の星澤も快走した

パラリンピック6大会連続出場を目指す新田が2018年のピョンチャンに向け、順調な仕上がりを見せている。得意のクラシカルはもちろん、フリーでも見事な滑りを見せ、ノーストックで滑る川除の追随を許さない。実測タイム30秒差をつけてフィニッシュし、レース後は、第一人者らしく「雨の中でも滑りやすい状態を作ってくれた関係者の皆さんのおかげ」と感謝を口にした。

勝利は収めたものの、「レースには課題がある」と新田。元オリンピック選手の長濱一年ヘッドコーチから、修正点として上半身の使い方を指摘され、今後出場する長い距離のレースで、フォームの調整を図る。


「やらなくてはいけないことが明確にあるので、今年しっかり準備をして来シーズンにつなげたい。川除選手や(今大会でクラシカル、フリーともに4位の)星沢克選手など若手も着実に伸びている。日本チームとしてもパラリンピック経験のある選手が引っ張り、ピョンチャン以降に向けてうまく世代交代ができればいい」

まだまだ進化を続けるエースは、JISS(国立スポーツ科学センター)で実施するようになった体力測定の結果、健常の選手と競うFIS(国際スキー連盟)の大会への出場で受けた刺激なども糧にし、ピョンチャンに向けて突き進む。

ソチパラリンピック出場の阿部が存在感


ピョンチャンでの活躍が期待される阿部

女子立位は、初出場したソチパラリンピック以降、肉体改造に取り組む阿部友里香が2日間続けて快走。今大会は気温4度と温暖で、雨の降る中、行われたが「いつもと同じように滑ろうと心がけた。力はしっかり出せた」と話し、「これからしっかり調整し、W杯に備えたいです」と視線はすでに次のステージへ。2月、3月と転戦するW杯では、得意のスプリントとバイアスロンで表彰台を狙う。

また、国内の競技者獲得が難しいカテゴリーでは、座位女子の新田のんの(4km/2km)、視覚障がい女子の中島 由貴(クラシカル 5km)が、それぞれ初出場し、転倒しながらも完走。明るいニュースを提供した。


ID(知的障がい)の部は、強化指定Bの山田雄太が、西村潤一の17連覇を抑えられるかに期待がかかった。
結果は、西村に軍配。初日の10kmでは、夏場に行う腕の筋トレが活きたといい「疲れていたけど、なんとか抜き返せた」と笑顔で話した。山田も「やるだけのことはやったので、悔いはない」と、充実の表情を浮かべた。


成長著しい立位の川除


ID種目でパラリンピック出場を目指す西村


ID種目は、2018年のピョンチャン大会では実施されないことが決まっており、2022年の北京大会での実現に向けて協議を重ねているところだという。 日本チームの荒井秀樹監督は、「ID種目のパラリンピック復帰は必須。1998年に、この長野の地で行われたクロスカントリーを、もう一度実現させたい」と力を込める。


座位の新田のんのは車椅子マラソン選手でもある

一方、身体障がいカテゴリーについては、「ベテランも、ジュニアも、持てる力を出し切ったけれど、ピョンチャンのメダル候補となる新田(佳)と阿部の有望選手には、もう数段レベルアップしてもらい、不動の地位を築いてほしい。その先輩たちに追いつき、追い越そうとしている川除、星澤の頑張りも印象に残った」と大会を総括した。



来シーズンは、ピョンチャン大会の出場権を争うレースが待っている。日本チームは、ピョンチャン以降も見据えながら、チーム一丸となって底上げを図っていく。


夏はトライスロンに取り組む立位の佐藤圭一


視覚障がい女子は久々の実施


text by Asuka Senaga
photo by X-1
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