2016.07.14

【ボッチャ】[日本ボッチャ選手権大会予選会]競技人口増加でさらに熾烈な戦いに。若手の活躍に期待膨らむ

11月に石川県で開催される「第18回日本ボッチャ選手権本大会」の予選会が、7月9日から2日間にわたって、山口県の維新百年記念公園スポーツ文化センターで行われた。各クラスともリーグ戦を実施し、各リーグの1位の選手が見事、本大会出場の切符を手にした。またリーグ数が本大会出場資格取得者数に満たないクラスは各リーグ2位の選手でプレーオフを行い、その勝者も本大会出場権を獲得した。

東京パラリンピックを目指す佐藤(BC2)らが本大会へ


若手の飛躍も目立った「第18回日本ボッチャ選手権本大会」予選会

すでにシード権を得ている選手を除く122人が参加した今大会。各クラスの選手とも日本選手権の予選大会にふさわしい実力を発揮した。そんな中、注目したのは10~20代前半の若手選手だ。

まず、4年後の東京パラリンピック出場を目指すBC2の佐藤駿(T.S.T Boccia Club)は、20歳の大学生。今大会、チームコーチとして帯同したリオパラリンピック日本代表の廣瀬隆喜が見守る中、リーグ戦では3勝無敗と圧倒的な強さで1位に。狙い通りのプレーで得点を重ねると、“雄叫びガッツポーズ”も飛び出し、調子の良さがうかがえた。


BC2クラスは廣瀬や同じくリオ代表の杉村英孝ら強敵ぞろいなだけに、日本選手権はハイレベルな戦いが予想される。だが、自身も国内外の大会で経験を積んできた。「(目標球の)ジャックボールに、(投げた後の第一球である)ファーストボールを必ず寄せることが、上位進出のカギになる」と分析し、「より精度を上げて、戦術に活かしたい」とメダル獲得に意欲を見せた。

ランプ(勾配具)を使用するBC3では、21歳の松永楓(チーム心 —kokoro—)、14歳の大和田明花(埼玉ボッチャクラブ)らが全勝。競技アシスタントと息を合わせた隙のないプレーで失点を最小限に抑え、存在感を見せた。


BC3クラスの松永(写真左)


同じくBC3クラスの大和田


BC4クラスは、2016年度のボッチャ協会強化指定選手の江崎駿(あいちボッチャ協会)、同育成候補指定選手・古満渉(龍HIROSHIMA)らが本大会へ。また、残り1枠をかけたプレーオフでは、会場中の視線が集まる中、14歳の渡邊湧太(静岡ボッチャ協会)が見事に競り勝ち、日本選手権の挑戦権を獲得した。大会初出場の渡邊は「初日は緊張で力みがあり、力加減がうまくいかなかった。でも最後に勝ててホッとしています」と笑顔。「11月までに予選会で見つけた課題を克服して、表彰台を目指したい」と力強く話してくれた。

また、BC1クラスは、松本裕子(多摩ココナ)や金城歩未(沖縄ボッチャクラブ)ら、実力者が順当に本大会出場を決めた。

オープン車いすクラスは、次世代エースとの呼び声高い大濱梨沙(浦安ボッチャ協会)が全勝で本大会出場切符を手中に。2011年の日本選手権を14歳で制した大濱も19歳になり、ますます腕に磨きをかけているようだ。

オープン立位クラスは、藤井潤(富山ボッチャクラブ)、井出絹代(静岡ボッチャ協会)、石本万紀(新潟ふれ愛ボッチャクラブ)、古閑正孝(滋賀県ボッチャ協会)の4人が、本大会出場権を獲得した。

来年から東西ブロックで予選会を開催

ボッチャは、狙ったところにボールをピタリと寄せる技術、最後の一投で大逆転もありうる緻密な戦略など、見どころは多い。老若男女問わず、誰もが挑戦できるユニバーサルスポーツとしても人気があり、大会に出場する選手も増加傾向にある。日本ボッチャ協会によると、協会の会員登録数は一昨年の460人から昨年度は510人に増加。選手はもとより、審判や競技アシスタントの登録者数が伸びたことが特徴だという。


オープン車いすクラスの大濱(写真左)

今大会においては、ふたつのクラブチームが初出場を果たした。「Apowa Boccia Club」は初めてクラス分けを経験。チームメートから声援を送られていた、大会最年少で13歳の斉藤一秋は惜しくも敗退したものの、最後まで堂々とプレーした。また、2014年に“福岡からパラリンピック選手を輩出しよう”と結成された「博多ボッチャクラブ」は、10人の選手がオープン立位以外のすべてのクラスにエントリー。選手のひとりは、「今大会に出場して初めて自分のレベルがわかった。他の参加者と交流して刺激を受けた」と話した。


大会終了後の講評で、日本ボッチャ協会の河合俊次競技局長は「若い世代、新しい選手が出てきたことは、今の国内トップ選手の刺激になる。東京、そしてその先まで、みんなでボッチャのムーブメントを作っていきましょう」と参加者に呼び掛けた。

なお、参加者の増加に伴い、来年度から予選会は東西ブロックに分かれて開かれる。これにより、会場への移動も比較的楽になり、選手は参加しやすくなる。取り巻く環境の変化に対応しつつ、選手のすそ野を広げる日本のボッチャ界の将来にさらに注目が集まりそうだ。

text&photos by Miharu Araki
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