2016.07.23

【水泳】[ジャパンパラ水泳競技大会]リオパラリンピックに向けて調整中の代表勢が出場。リオ後を狙う若手も存在感

7月17日から2日間の日程で、国際パラリンピック委員会(IPC)の公認レースである「ジャパンパラ水泳大会」が横浜国際プールで開催された。すでに決定しているリオパラリンピック日本代表19人にとっては本番前最後の公認大会で、現時点の調整ぶりを確認する絶好の機会になった。また、2020年の東京パラリンピックを見据える若手選手たちの活躍なども目立った。

水泳主将の山田「本番楽しみ」


リオでは悲願のメダルを狙う山田拓朗

リオに向う、“トビウオパラジャパン”(パラ水泳日本代表チームの愛称)の主将を任された、S9(機能障がい)クラスの山田拓朗主将は得意の自由形2種目に出場し、50mは26秒41、100mは57秒67の大会新をマークして2冠を達成。4年前のロンドンパラリンピックでは50mは4位、100mは5位と涙をのんだが、当時と比べて今は練習も順調で、タイムでも世界ランキングでも、自身初のメダルを狙える位置にいる。

「(100mは)予選の調子からいって58秒前半くらいかと思っていたので、(57秒台を出せて)よかった。(今回は、合宿などで)疲労が蓄積した中での大会だが、調整したレースなら、タイムはまだ伸ばせる。メダル獲得には56秒台がいると思う。しっかり出せるように準備したい。緊張感はあるが、今はイメージ通り泳げていて、本番に向けて不安より、楽しみのほうが強い」と力を込めた。


また、2012年のロンドンパラリンピックのメダリストで、3大会連続出場となる木村敬一は2日目の100mバタフライS11(視覚障がい)の予選で1分03秒54の大会新をマークし、決勝も1分03秒81でまとめ、優勝するも、決勝でタイムを落としたことに触れ、「やばいですね。後半、しんどかった。(原因は)分からないけど、リズムもあまりよくなかった」と反省を口にした。


リオでメダルの期待がかかる木村敬一

ただし、前日の100m平泳ぎではスタートで飛び込む角度がずれたことで方向を見失いコースアウトで失格となっており、この日もスタートへの不安があったが、「上手くいった」と振り返り、周囲を安心させた。 木村と同じ全盲のスイマーとして7大会でパラリンピックに出場した日本身体障がい者水泳連盟の河合純一会長は、「コースアウトは、ブラインド(視覚障がい)選手には起こりうること。それも含めてレースなので、とらわれすぎないことが大切」と後輩にエールを送る。最近は厳しい筋肉トレーニングによる肉体改造で、練習の質も量も高いレベルの練習に耐えられるようになったと話す木村は、3度目の大舞台で悲願の金メダルを目指し、残りの日々でさらに追い込みをかける。


一方、初出場組のひとり、池愛里は、7種目に出場予定のリオ本番を想定して挑んだ。初日は予選と決勝合わせて6本を泳ぎ、疲労の中でベストを尽くす試金石となったが、200m個人メドレー(SM10)で2分40秒96の日本新をマークするなどまずまずの結果を出した。さすがに全種目を終えた後は、「体がバキバキ」と話していたが、表情は明るかった。

また、代表に7人を連ねたS14(知的障がい)は代表同士が顔を合わせ、互いを刺激し合う活躍を見せた。特に100mバタフライで1分00秒17の日本新記録をたたき出した宮崎哲、日本新にあと100分03秒に迫る大会新(55秒15)をマークした中島啓智などを筆頭に、調整の順調さをうかがわせた。

なお、初日の競技終了後には、リオパラリンピック代表選手と派遣スタッフの壮行会が開催され、峰村史世監督は、「(金2、銀2、銅4の計8個のメダルを獲得した)ロンドンパラリンピック以上の成績を目指したい」と意気込みを語った。

リオ後にも光明

今大会では3月に行われた選考会で敗れ、リオ出場を逃がした選手たちの活躍も目立った。S14の東海林大は200m自由形(1分58秒85)でアジア記録、200m個人メドレー(2分12秒58)で日本記録を更新。「リオパラリンピックに出られなくて悔しかったが、2018年世界選手権と2020年東京パラリンピックを目指して頑張ります」と力強く話した。

他にも、男子400m自由形で4分39秒55のアジア新記録を樹立したS13(視覚障がい)クラスの富田宇宙や、女子400m自由形(5分47秒17)、200m個人メドレー(3分38秒12)、100m自由形(1分22秒67)と日本新記録を連発したS7(機能障がい)クラスの小池さくらなど、好記録を出した若手も多く、今後のさらなる飛躍が期待される。

リオ、そしてその先につながる道筋も見えた今大会。トビウオパラジャパンのリオでの活躍に弾みがついたのではないだろうか。


表彰で笑顔を見せる池愛里


日本新をマークして喜ぶ宮崎哲


text by Kyoko Hoshino
photo by X-1
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