2016.10.26

【車いすテニス】[2016 Peace Cup]リオ代表組が優勝。女子は次世代を担う若手選手の活躍にも注目!

「2016 Peace Cup 第27回国際交流車いすテニス大会」が10月20日から4日間にわたって、広島広域公園テニスコートで行われた(同時開催:2016 Peace Cup 第27回国内交流車いすテニス大会)。毎年多くの選手がエントリーすることで知られ、今年は3人の海外選手を含む120選手が参加。リオパラリンピックに出場した6選手も出場し、熱戦を繰り広げた。

リオ代表・堂森「若手選手との対戦を楽しみにしていた」

今年の女子シングルスの戦いは、とくに注目を集めた。まず、存在感を発揮したのが、リオパラリンピック代表の堂森佳南子(埼玉)。初戦となった2回戦から決勝まで、すべてストレート勝ちで優勝した。そして、その堂森が「すごい」と唸ったのが、決勝で対戦した21歳の大学生・大谷桃子(佐賀)。実は大谷は本格的に車いすテニスを始めたのがわずか7ヵ月前という新人選手。これがエントリー3大会目ながら、切れ味鋭いサーブを武器に、2回戦から準決勝まで実力者のシード勢を破って勝ち上がった。ただ、チェアワークは本人曰く「まだ強化の最中」で、決勝では堂森の左右の揺さぶりやスピンをかけたハイボールに屈した。


競技歴7ヵ月ながら準優勝した大谷

大谷は高校卒業後、病気のため車いすに乗るようになったが、かつては一般のテニスでインターハイに出場した実力者。プレーの基礎力は折り紙付きで、勝利へのこだわりも強い。「チャレンジャーだし失うものはない」と前を見据えて話す姿が印象的だった大谷。今後も大会に積極的にエントリーする予定で、経験を重ねて自分の納得いくプレーを探究していくつもりだ。


堂森は深山知美(千葉)と組んだダブルスも制して2冠を達成。リオから帰国後は十分な練習を積めなかったが、「4年後へのスタートを切る大会」と位置づけ臨んだ。大谷や第2シードで20歳の田中愛美(埼玉)、また5月の世界国別選手権のジュニア日本代表で、今大会はシングルスの第7シードに入りベスト8、ダブルスで決勝進出と成績を残した高校1年の船水梓緒里(千葉)ら若手選手の伸びを歓迎し、「ベテランとして彼女たちの壁でありたいし、切磋琢磨していけたら」と話し、気を引き締めた。

また車いすテニスの女子は、JSC(日本スポーツ振興センター)が推進する「次世代ターゲットスポーツの育成・強化」の対象になった。これは、2020年の東京パラリンピックなどでメダルを獲得できる競技者を増やすために計画的な指導体制を整備し、国際競技力向上を目指す事業で、田中、大谷、リオパラリンピック銅メダリストの上地結衣(兵庫)の3選手が選ばれている。今後はオーストラリアなどの国際大会に派遣予定で、女子全体のスケールアップに期待がかかる。

男子・眞田、クァード・川野も接戦を制して単複優勝!

男子シングルス決勝は、眞田卓と三木拓也(ともに埼玉)のカード。日本を代表するトップ選手同士の対決らしく、威力あるショットの応酬で互いに譲らず、フルセットの接戦に。最後は眞田が粘りを見せ、4-6、6-4、6-4で頂点に立った。ダブルスは第2シードの眞田・藤本佳伸(千葉)組が接戦の末に第1シードの齋田悟司・鈴木康平(ともに千葉)組を破り、優勝した。

クァードシングルスでは、ともにリオパラリンピック日本代表の川野将太(福岡)と諸石光照(岐阜)が決勝に進出。川野がフルセットマッチの激闘を制した。當間寛(愛知)と組んだダブルスでも優勝し、2冠を達成。前日の大会3日目は単複とも準決勝でそれぞれフルセット、スーパータイブレークを戦っており「もう疲労困ぱい」と苦笑いの川野だったが、しっかりと結果を残し、次のステージにつなげたのはさすがだ。


男子は眞田が単複二冠の活躍


諸石との接戦を制したクァードの川野


夢に向かって切磋琢磨、ジュニア大会も開催!

このピースカップは国内交流車いすテニス大会、また昨年からはジュニア大会も同時開催されている。ジュニア大会には今年は16人が参加。試合は1セットマッチで行われ、主にJWTA(日本車いすテニス協会)のランキング上位の選手が集まったシングルスAは、第2シードの高野頌吾(福岡)が第1シードの坂口竜太郎(千葉)を破って頂点に。ともに中学1年の両者が対戦するのはこれが2回目だといい、高野は「坂口選手はコントロールが良くコースに打たれるので、チェアワークを心掛けた」。また、坂口は「自分から攻めたし、全部出し切ったけど、相手のほうが上だった」と試合を振り返った。

男子ではジュニアで活躍した清水克起(愛媛)が今年からシニアに参戦。今大会は単複とも男子セカンドに出場し、先輩たちとの対戦を実現した。今後も清水のように、ステップアップする選手が増えていくだろう。高野と坂口も、「いつか憧れの国枝慎吾選手と試合がしたい」。その目標に向かって、これからも腕を磨いていく。


ジュニア大会で優勝した中1の高野


例年、広島広域公園のテニスコートで開催される



text&photos by Miharu Araki
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