2016.12.16

【7人制サッカー】[日本代表強化トレーニング] 2017年に世界選手権を控えるCPサッカー日本代表、島田新監督を迎えて新たなスタート

CPサッカー(脳性まひ者7人制サッカー)日本代表チームの強化トレーニングが、12月11日、しんよこフットボールパーク(神奈川県横浜市)で行われた。前監督の安永聡太郎氏が8月に退任したのを受けて、日本CPサッカー協会は11月に、元Jリーガーである島田裕介新監督の就任を発表。その島田監督を迎えてから最初の練習となった。

世界選手権に向けてプロ選手らと実践練習


選手に指示を出す島田新監督

安永前監督は、今年4月に就任。7~8月にデンマークで開催された世界選手権予選大会ではチームを13ヵ国中の8位に導き、日本は来年の世界選手権(アルゼンチン)への出場を確実なものにした。しかし安永氏がその後、プロサッカーリーグJ3のSC相模原の監督に就任。そこで、島田監督にバトンが渡される形となった。



「安永監督時代に練習の相手役として呼ばれて、2回ほど選手たちと一緒にボールを蹴ったことがあるので、チームに対するイメージはありました。選手として日の丸をつけたことはなかったので、代表監督という形でそれを背負うことは想像していませんでしたが、誰にでも巡ってくるチャンスではありませんし、せっかく選んでいただいたのですから、思い切ってチャレンジしたいと思っています。監督という立場は初めてなので、僕も選手たちと一緒に成長していけたらいいですね」(島田)

監督として選手の力量を見極めるために、2時間の練習は最初から最後まで試合形式となった。代表チームのスパーリング・パートナーとして呼ばれたのは、横浜FCの津田知宏選手、野崎陽介選手のほか、川股要佑氏(元湘南ベルマーレ)、小林弥生氏(元日テレベレーザ)、荒田雅人氏(元ザスパ草津)など、全員がプロ経験者。安永前監督も馳せ参じて、ピッチでプレーした。代表選手たちには、島田監督から「相手はプロなんだから、やられて当たり前。怖がらずにやれ」と声が飛ぶ。実際、日本代表はプロ軍団に次々とゴールを決められたものの、収穫は大いにあった。


プロ集団相手に連携などを確認した

「来年の世界選手権では強豪国と戦うことになるので、今回はあえてこういう形にしました。ボールを大事にするというテーマを与えましたが、全員がその意識を持ってプレーしてくれましたね。指示したことを忠実にやってくれるのは彼らの良いところです。この1日だけでも成長しました。これからは、言われたことをやるだけではなく、選手自身がピッチでいろいろなことを感じながら自分で判断できるようになってほしい」(島田)



中心選手の戸田「自分の判断で動けなければ」

その点は、選手も同じ問題意識を持っている。世界選手権予選でゲームキャプテンを務めた戸田哲也に聞いた。


チームの中心選手に成長した戸田

「前監督の安永さんのときから、チームとしての決まり事が明確になり、試合中も監督からワンプレーごとに細かい指示が出るので、いい動きができるようになりました。でも、世界選手権予選はリオパラリンピックに出られなかった国だけが出場した大会。世界選手権はパラリンピックに出場した8ヵ国がすべて顔を揃えるので、同じようには通用しないでしょう。指示がなくても選手が自分の判断で動けるようにならないといけません」

代表チームの合宿は月に一回程度。来年9月の世界選手権まで、あまり時間はない。戸田は「いつ集まってもすぐに同じことができないとダメですね」という。



「デンマークの大会ではメンバー同士で息が合っていたので今日もできると思っていましたが、久々にやったら合いませんでした。でも相手をしてくれたプロの人たちは、急に集まってもあそこまで合わせられる。いちいち最初から作り直していたのでは時間が足りないので、みんなでもっとコミュニケーションを取っていかないといけません」

一方の島田監督は、一般の11人制サッカーとの違いにやや途惑っているようだ。

「7人制はスペースが広いので、相手をしたプロ選手も『運動量が多いね』という感想を口にしていました。そのせいか、CPの選手たちは体や頭が疲れた終盤にプレーの質が落ちる傾向がある。もっとボールを動かして、いかに相手を走らせるかを考える必要があります。イージーミスでボールを奪われてまた守備に回るようなことを減らすだけで、かなり失点が防げるでしょう。戦術的には、オフサイドがないルールへの対応を考えなければいけませんね」

予選をギリギリの8位で通過した日本は、世界選手権で「16チーム中の16位からのスタート」(島田)となる。過去の最高成績は16チーム中の13位(2011年大会)。厳しい戦いになるのは間違いない。監督に世界選手権の目標を聞くと、「まずは1勝」。チームの成長を楽しみにしたい。


text & photos by Hitoshi Okada
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