障がい者は
「僕ができない何かをできる人」
今までのユニバーサルデザインとは違った発想で
もともと僕がブレイルノイエをつくった理由は「点字を読めないから」だったんです。最近は勉強しているので、ある程度は読めるようになりましたが、それでも難しいと感じています。ただ、知れば知るほど、点字は文字として、やはりすごく興味深いものなんです。だって「指」で「読む」んですよ。それって一体どういうことなのか。
一般的には、目が見えないということは障がいであり、文字を読めないというのは不便なことであると思われがちですよね。もちろんそういう側面があることは否定しませんが、けっしてそれだけではないんです。あるいは点字というものは「アップデートされた文字」とさえ言えるんじゃないかと、僕は思っています。
そのように思うきっかけとなったできごとがありました。僕は普段、広告の会社に勤めているんですが、ある時、たまたま視覚障がい者の施設に行くことがあったんです。そこで僕は初めて、視覚障がい者が点字を読む姿を見たのですが、その時に言われた一言がとても印象的でした。
「高橋くんも点字を読めれば暗闇の中でも本を読むことができるようになるよ」
なるほど、と思いましたね。