パラアスリート谷真海さん、NHK「サンデースポーツ」のメンバーとして出演中!

パラアスリート谷真海さん、NHK「サンデースポーツ」のメンバーとして出演中!
2022.06.03.FRI 公開

2022年4月、NHKのスポーツ情報番組「サンデースポーツ」に、パラアスリートの谷真海さんがニューメンバーとして加入!担当するコーナー「たに色まみ色」には、初回のマラソン・大迫傑選手から、東京パラリンピックのメダリスト米岡聡選手、ママになってからも活躍を続ける女子サッカーの岩清水梓選手と、多様なアスリートが登場しワクワクさせられます。今回は谷さんに、番組にかける想いについてインタビューしてきました!

担当するコーナーは、選手の個性に迫る「たに色まみ色」

NHK総合「サンデースポーツ」(毎週日曜21:50~)に4月から出演中の谷さん。メンバーの一人として、コーナーを担当します

ーーNHKのスポーツ情報番組「サンデースポーツ」のメンバーに就任されましたね!オファーがあったときはどんな気持ちでしたか?

谷真海さん(以下、谷):以前何度か出演したことがあるのですが、新メンバーとしてのお話をいただいたときは、正直ビックリしました!長年、ずっと見てきた番組ですし、私でいいのかな……という気持ちが最初はありました。
でも2022年度からメンバーを8人に拡大した中で、パラアスリートを含んでいただけたということがすごく嬉しかったですし、「自分自身できることはやってみよう!」と思って、お受けしました。

ーー担当されるコーナーは「たに色まみ色」。素敵な名前ですね!どんなコーナーなのでしょうか?

谷:私がアスリートの方々にインタビューするコーナーなのですが、道なき道を歩んできたアスリートやベテラン選手など、いろいろな方のお話を伺いながら、それぞれの個性を紹介していきます。個性を伝える一つとして、アスリートのみなさんに「ご自身を『色』で表すと何色ですか」という質問を毎回お聞きしています。
私自身も、取材やインタビューを通して自分自身の考えや想いを伝えていくことができるので、そういった機会を得られるのはとても嬉しいですね。

取材を「受ける」側から「する」側へ。アスリートの経験を活かして奮闘!

記念すべき初回は、東京2020オリンピック男子マラソン6位入賞の大迫傑選手にインタビュー!

ーー第一回の「たに色まみ色」では、マラソンの大迫傑選手が登場していましたね。実際に取材・インタビューをしてみて、どうでしたか?

谷:取材を受ける側というのは慣れているので、あまり緊張しないんですが、取材する側にまわるというのは、こんなに難しいのか……と。すごく緊張しましたね(笑)。
アスリートという繋がりのみならず、私自身も敷かれたレールに沿って進んできたタイプではないので、そういった点で、思い切って海外に拠点を移し、前例のない挑戦をしてきた大迫さんの取材では、想いの部分で共通するところがあったなと思います。

ーーなるほど。競技に臨むときの準備と、取材に臨むときの準備にも、共通する部分はあるのでしょうか?

谷:あると思います。試合前は事前にしっかり準備をして臨んでいましたが、取材に対しても責任感をもって、しっかり自分ができる準備はしていこうと。下調べして、話の流れをしっかり頭の中に入れていくとか、そういうことは意識的にやっていきましたね。

知りたいのは、競技を極めてきたトップアスリートのマインドセット

オンラインで取材に応じてくださった谷さん。笑顔で想いを語ります

ーー今後、取材してみたい人はいますか?

谷:特定の人がいるわけではありませんが、これまで接点のなかったアスリートに話を聞くのはすごく面白いなと思うし、知っているアスリートのもっと深いところを聞いてみたいという願望もあります。いろいろな視点で話を聞いていけたらいいですね。

ーーアスリートの知らなかった一面を知ることができると考えるとワクワクします。インタビューするアスリートに、谷さんが特に聞いてみたいことはどんなことですか?

谷:それぞれの競技を極めている人たちなので、どんな質問を投げかければいいのか難しいところですが、「どうしてそこまで自分を追い込んでいけるのか」ということに関しては特に興味があります。極限まで自分を追い込んで、乗り越えていくことがどの競技も大事になってくるので。追い込んで、乗り越えていく、その先に自身が描く未来みたいなものがあるのかなと。

ーー何かを成し遂げている人が、どこから困難を乗り越えるエネルギーを得ているのか?興味を惹かれる人も多そうですね。

谷:そのエネルギーの源は一人ひとり違うと思うので、そこはぜひ知りたいです。私の場合、20歳のときに義足になって、生きるということについてすごく考えるようになった。「自分自身の人生を輝かせたい」という想いでスポーツを始めたので、今はスポーツが人生の中にある感じなんです。自分がやりたいように、自分の気持ちに忠実にやってきたという実感がありますが、それは谷真海という一人のパラリンピアンの意見であって、みんなそれぞれ違うはず。いろいろ聞いてみたいですね。

多くの人が見る番組だからこそ、パラアスリートの姿そのものがメッセージに

ーー東京2020パラリンピックが終わり、以前よりパラスポーツの認知度が高まった中で、パラアスリートとして谷さんが人気スポーツ番組のメンバーになられたことは、すごく大きな意味があるのではないでしょうか。

谷:パラリンピックのおかげでパラアスリートがテレビに出演することは増えましたが、常に番組に出演するということは今までなかったと思うので、これは大きな一歩になるのかな、と思います。イギリスでも、ロンドンパラリンピックの後にパラアスリートたちがテレビに出る場面が多くなったそうなんです。人の心の中に残り続けるために、番組を通して定期的にパラアスリートの姿を見せる、というのは大事なメッセージなのかなと思いますね。
世の中にダイバーシティ&インクルージョンを浸透させるには、いろいろな人が一緒になって作り上げている、という形が見えるのがすごく大事だと思います。私がやっている役割を、今後他のパラアスリートにバトンタッチする日が来ると思いますが、それも楽しみですね!


番組にかける想いや取材への意気込み、将来の展望などについて、希望に満ちた声で語ってくれた谷さん。今後、どんなアスリートの「個性」と「色」を届けてくれるのかが楽しみです。日曜夜の「サンデースポーツ」メンバーの谷さんに、これからも注目しましょう!

谷さんについてもっと知りたい方はこちら↓
【アスリートの名言】谷真海のスピーチで振り返る。いま試されるスポーツの力
https://www.parasapo.tokyo/topics/26157

PROFILE 谷 真海
20歳のときに骨肉腫で右脚膝下を切断し、パラリンピック出場を新たな目標に陸上競技を始める。走り幅跳びとトライアスロンでパラリンピックに4大会出場。2013年にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれたIOC(国際オリンピック委員会)総会で、東京2020大会招致メンバーの最終プレゼンテーションに立ち、東京大会の招致に大きく貢献した。東京2020パラリンピックでは日本代表選手団の旗手を務める。現在はサントリーホールディングス株式会社に所属。他にも様々な媒体でのインタビューや、「紅白歌合戦」に審査員として参加するなど、パラスポーツ・パラアスリートの地位向上を目指し、精力的に発信し続けている。

text by Jun Nakazawa

『パラアスリート谷真海さん、NHK「サンデースポーツ」のメンバーとして出演中!』