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Sports 競技を知る
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【パラスポーツ!これだけは知りたい】カヌー

カヌー(パラカヌー)は主に下肢障がいのある選手が競技用カヌーに乗り200mの流れのないスプリントコースでスピードを競う競技。パラリンピックでは、カヤックとヴァーの2種目が実施されている。
クラス分け
障がいの程度により、L1、L2、L3の3つクラスに分かれて競技を行う。Lの後ろについている数字が小さいほど障がいが重く、数字が大きいほど障がいが軽い。
L1クラスの選手は座位でバランスをとることが難しく肩と腕の機能だけで漕ぎ、L2クラスの選手は胴体と腕を使って漕ぎ、L3クラスの選手は、片脚切断など、腰、胴体、腕を使うことができ、力を入れて踏ん張って漕ぐ。
競技用具
カヤック種目では長さ520cm以下、重さ12kg以上で直進性能を重視した競技用のカヤックを使用。スプリント専用の水をかくブレードが両側についたパドルを使って漕ぐ。
ヴァー種目では片側にアウトリガーという浮きのついた艇を使い、パドルもブレードが片側だけのものを使用する。
カヤックは安定性が低いが真っすぐ進みやすく、ヴァーは安定性が高いが、左右どちらか片側だけを漕ぐので、直進するのがより難しい。
ルールの範囲内でシートや乗り込むコックピットの内部を改造できる。たとえば、体幹が効かない選手は、背もたれの付いたシートの使用が認められているなど、自身の力を最大限発揮できるように、シートの素材や形状などを工夫している。
ここに注目
上半身の力だけでカヌーを漕いでいくため、パドルを操るテクニックが勝敗のカギに。水上に一直線に並んだカヌーが一斉にスタートし船首がフィニッシュラインを通過するとゴール。水しぶきを上げて水上をすべるように進んでいく姿やゴール前で繰り広げられる0.1秒を争うデッドヒートは迫力満点!
パラリンピックでは、リオ2016パラリンピックで正式競技となりカヤック種目を実施、東京2020パラリンピックでヴァー種目が追加された。
text by parasapo
illustration by Kazue Shima