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Sports 競技を知る
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【パラスポーツ!これだけは知りたい】車いすフェンシング

車いすフェンシングは、下肢に障がいのある選手が車いすをピストという装置に固定した状態で、剣で突きや斬りを繰り出す対戦型の競技。パラリンピックでは、1960年の第1回ローマ大会からの正式競技。
クラス分け
パラリンピックで実施されるのは、障がいの程度によってカテゴリーA、カテゴリーBの2つのクラスの種目。カテゴリーAの選手は体幹が効き、上半身を前後に倒したり自由にコントロールすることができる。カテゴリーBの選手は体幹のバランスが悪いため、上半身を激しく動かすことが難しい選手も。
競技用具
特徴的なのは、車いすを固定する「フレーム」。固定された金属板「フレーム」の上に車いすの両タイヤを固定し、前輪キャスターもベルトで固定する。
車いすも専用のものを使用し、剣を持たない方の手で掴む持ち手が車いすの片方だけに付いている。
剣や防具は一般のフェンシングと同じで、剣やウェアには電気コードが付けられていて、ポイントが決まると電気が流れ、電気審判器の赤または緑のランプが点灯すると得点が入った合図となる。
おさえておきたいルール
車いすフェンシングには「フルーレ」「サーブル」「エペ」の3種目の競技がある。
フルーレ(攻撃方法が突きのみ)とサーブル(突きだけでなく斬りもOK)には「攻撃権」のルールがある。攻撃権は、先に腕を伸ばし、攻撃をしかけた方に与えられる優先権で、それがないと相手を突いたり斬ったりしてもポイントが得られない。しかし、相手の剣先を払うことで攻撃権を奪い返すこともできる。剣先を交える攻撃権の奪い合いの駆け引きにも注目。
攻撃権のルールがないエペでは、同時に突いた場合は両方にポイントが入ることも。下半身は突いても有効にならないため、絶縁のスカートを装着する。
ここに注目
一般のフェンシングのように前後に移動がなく、腕を伸ばせば相手の剣に届く距離に固定された車いすでダイナミックに剣を交えるのが車いすフェンシングの大きな特徴。常に相手の攻撃が届く間合いの中で、相手の剣をのけぞるようにして避けるシーンも。素早い剣さばき、スピーディーな試合展開に注目!
text by Parasapo
illustration by Kazue Shima