【パラスポーツ!これだけは知りたい】馬術

2025.04.16.WED 公開

パラスポーツの馬術(パラ馬術)は、馬と選手が一緒に演技を行い、正確さや美しさを競う馬場馬術(ドレッサージュ)。パラリンピックでは上下肢障がい、視覚障がいのある選手が出場する。

photo by Jun Tsukida

クラス分け

馬術では各クラスを「グレード」と呼び、障がいの種類や程度により、5つのグレードに分かれて競技が行われる。数字が小さいほど障がいが重く、大きいほど障がいが軽い。
また、グレードによって演技に求められる馬の歩法が異なる。歩法には3種類あり、常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)の順番で、歩幅がより広く、歩く速さがより速くなる。

競技用具

障がいの種類や程度によっては、特殊な用具の使用が認められている。たとえば両手で手綱が握れない場合は片手で扱えるバー状に改良したり、指が欠損している選手は片指に引っかけて使用できるループ状の手綱を使ったりする。中には両腕がなく、口を巧みに使って手綱を引く選手もいる。

おさえておきたいルール

パラリンピックで実施される種目には、規定演技を行う「個人課目」と「団体課目」、規定演技の成績上位選手が出場できる自由演技課目がある。
規定演技では馬場内の定められた地点を移動したり、円を描くように歩いたりと、20~30もの課題が設けられている。正確性のほかに、馬の姿勢や活気よく歩いているかも採点に影響する。
自由演技課目(フリースタイルテスト)は、音楽に合わせて、決められた運動を取り入れつつ自由に構成した演技を行う。馬がリズムに合わせて優雅にステップを踏むように見えることから「馬のバレエ」とも呼ばれる。

photo by Hiroyuki Nakamura

ここに注目

選手と馬が心を通わせて演技をする馬術。採点の着眼点にも「調和」(人馬が一体となっているか)が含まれているように、よい演技には選手と馬の絆が重要になる。演技の後に馬をねぎらう選手の姿など、馬術だからこそ感じられる絆にも注目したい。

photo by REUTERS/AFLO

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text by parasapo
illustration by Kazue Shima

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