あのスター選手も参加! 読売巨人軍がファンと一緒に熱狂したパラスポーツとは?

2019.03.14.THU 公開
打つ、投げる、走る、守るetc……その卓越した身体能力でグラウンドを駆け巡るプロ野球選手たち。ファンや子どもにとって、憧れの存在である彼らと一緒にパラスポーツを体験するイベント「G hands デー」が3月3日(日)に開催された。読売巨人軍が2015年より行っている社会貢献活動「G handsプロジェクト」の一環で、パラスポーツ体験は昨年に続いて2回目。巨人軍選手たちとファン100名が参加し、パラアスリートのレクチャーとともに、ブラインドサッカーと車いすバスケットボールを楽しんだ。


さすがはプロ野球選手! 見えなくても身体能力はハイレベル!?

軽快(?)なフットワークで沸かせた丸選手

笑いあり、驚きあり、の「ブラインドサッカー」体験

アイマスクを装着し、転がると音が鳴るボールでゴールを競い合うブラインドサッカー。日本代表の丹羽海斗選手が所属するブラインドサッカーチーム「free bird mejirodai」を迎え、ドリブルシュート対決が行われた。巨人軍からはチームキャプテンの坂本勇人選手をはじめ、昨シーズン先発から抑えまで大車輪の活躍だった山口俊投手、そして中島宏之選手、炭谷銀仁朗選手、丸佳浩選手といった今年から加入した豪華メンバーが登場。

運動神経抜群のプロ野球選手ならアイマスクをしてもプレーできるんじゃないか……と思いきや、そう簡単にはいかないのがブラインドサッカーの面白いところ。ボールをまたいでしまったり、はるか後方にボールを置き去りにしたりと、どこかコミカルな動きになってしまい、チームメイトからも笑い声があがることも。
しかし、そこは一流のアスリートたち。徐々に慣れていき、ゴールも多くなっていった。対決は惜しくも負けてしまったが、すぐに順応できる運動神経の高さを証明。特に丸選手は、「難しかった。ほとんど勘で蹴っていました」と謙遜していたが、多くのゴールを決めていた。やはりシーズンMVPを獲得するほどの選手の勘の鋭さは一味も二味も違う。

ブラインドサッカーの丹羽選手は、「こういった機会を作ってくれた巨人の選手たちにありがとうを言いたい。興味を持ったらぜひブラインドサッカーの試合を観戦してほしいし、体験して楽しんでほしい」と笑顔で語っていた。ブラインドサッカーの魅力が存分に伝わる時間であった。

巨人のエースは車いすバスケでもエースだった!

練習でピッチングと同様に抜群のコントロールを見せた菅野選手。

真剣勝負で白熱した「車いすバスケットボール」体験

今回、車いすバスケットボールの講師として登場したのは、3つのチームから混合編成で選出された選手たち。1988年のソウルパラリンピックから5大会連続出場、今も現役の上村知佳選手や、2018年の強化選手に選ばれた鈴木百萌子選手らが、競技のルールを簡潔ながらも分かりやすく紹介、実演してくれた。

シュート対決では巨人軍からエースの菅野智之選手を先頭に、亀井善行選手、小林誠司選手、野上亮磨選手、吉川光夫選手、田原誠次選手が登場。まずは練習ということで、車いすを操作しながらのシュートを試みるが、みんな悪戦苦闘。そんな中、菅野選手はゴールをシュパシュパと決め、ここでも球界一の制球力の片鱗を見せつけていた。

対決の意気込みを聞かれた菅野選手は、「10ゴールが目標」とかなり高く設定。ゲームが始まると、その目標を目指して、みんな楽しみながらも真剣にシュートをしていた。対決後、亀井選手は、「普通の車いすとは違い、操作がすごく難しかった」と語っていたが、車いすバスケットボールの選手チームとは1分間のハンデはあったものの接戦を繰り広げたのはさすがである。
車いすバスケットボールの上村選手は、「シーズン前で体が出来上がっているでしょうし、もうちょっとゴールが入るかと思っていたら意外に入らなかった。次のゲームでリベンジしてもらえれば(笑)」と、ジャイアンツの選手たちにちょっと厳しめなお言葉。でもそこはプロフェッショナルならではの叱咤激励であり、同じアスリートとしてのプライドも垣間見えて面白かった。

憧れの選手と一緒に! ファン大喜びの交流会

ファンとの交流会では、選手とファン同士の和気あいあいとした姿があちこちで見られた。
シュート対決の後はファンとジャイアンツの若手選手が一緒にブラインドサッカー、車いすバスケットボールを体験。子供たちにとって、憧れのプロ野球選手との交流は夢のような時間であったことだろう。一緒に体験した2つのパラスポーツはより深く印象に残ることは間違いない。
シュートを決めるとファン同士も盛り上がった。
最後に巨人軍選手を代表して今村信貴選手が挨拶を行い、「今日は貴重な時間をどうもありがとうございました。ぜひ2020年の東京パラリンピックを、選手全員で応援させていただきたいと思います」と、来年に迫る大舞台へエールを送る。チーム一丸となってパラスポーツをバックアップする旨をファンへ伝え、イベントは幕を閉じた。

「OEN-応援」ブースも大賑わい

この日の球場内の通路には、東京2020パラリンピックの応援サイト「OEN-応援」のブースも出展されていた。応援フラッグへの寄せ書きや、聖火リレーで実際に使われたトーチの展示など、たくさんの人で大賑わい。
その中でも特に好評だったのが、実際にパラスポーツを体験できるコーナー。ゴールボールやボッチャがその場でできるとあって、みんなで和気あいあいと楽しんでいた。ウィルチェアーラグビーの装甲車のような頑丈な車いすに乗れる体験もあり、子どもたちの順番待ちが出るほどに人気だった。このように小さな頃からパラスポーツにふれることで、未来の子供たちにとってパラスポーツはより身近なスポーツとなるだろう。パラリンピックの観戦がますます楽しみになる、有意義なブースとなった。
Text by Jun Nakazawa(Parasapo Lab)
Photo by Daisuke Taniguchi

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