音楽を通してパラリンピックをもっと身近に。パラフェス2016で5000人の観客が熱狂

2016.11.23.WED 公開

日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)は22日、国立代々木第一体育館でスポーツと音楽の祭典「パラフェス2016」を開催した。

オープニングは、世界で活躍する義足やクラッチ(松葉づえ)のダンサーらによるアクロバティックなパフォーマンスで華やかにスタート。2020年東京パラリンピックのウィルチェアーラグビーとバドミントンが行われる予定の会場に5000人が集まり、約3時間にわたってパラアスリートらのパフォーマンスやトップミュージシャンによる応援ライブを楽しんだ。

冒頭、発起人の野田聖子衆議院議員が「多くの人のパラリンピアンのイメージは堅苦しいもの。そのイメージをぶっ壊し、パラリンピアンとの距離を縮めて、生涯のファンになってもらいたい」と挨拶。パラサポの山脇康会長も「リオパラリンピックではブラジルの人たちの熱気を感じた。今日はブラジルの人たちに負けないように盛り上がりましょう」と呼びかけた。

パラフェスには、陸上競技400m(T47/上肢切断など)で銅メダルを獲得した辻沙絵や同じく史上初の銅メダルを獲得したウィルチェアーラグビーの池崎大輔らリオパラリンピックのメダリストらも登場。デモンストレーションを行い、競技の魅力を伝えた。またお笑い芸人の田村裕(麒麟)とバンビーノが、実際にパラスポーツを体験し、パラフェスを盛り上げた。

第2部は、全盲のシンガーやサラ・オレインに続き、シンガーソングライターの大黒摩季が登場。「自分も病気をして今年復活し、支える人がどれだけ必要か感じた。今日この時間を共有した皆さんはパラリンピックのファミリー。みんなでひとつになって一緒に応援していきましょう」と話すと、客席からは大きな歓声が上がり、最後は観客と出演者全員による「ら・ら・ら」の大合唱で幕を閉じた。

会場となったのは聖地・代々木第一体育館。
開場を待つ観客の期待は高まる
パラアスリートやミュージシャンらによる
一夜限りの特別なショーに5000人の観客が詰めかけた
パラスポーツの用具や聖火リレーで使用されたトーチ
リオパラリンピックメダリストのサインなどを展示
SMAP香取慎吾が描いたパラサポオフィスの巨大壁画の
実物大レプリカも公開された
華やかなサンバでスタートしたオープニングパフォーマンス
義足のブレイクダンサー トミー・リー、クラッチを巧みに操るルーカ・パトゥアリによるダンスパフ―マンス
太鼓ドラマーのヒダノ修一、
ギタリストのマーティ・フリードマンも登場
パラフェスへの思いを語る、
発起人の野田聖子議員と山脇康パラサポ会長
司会は、DJのnicoとアナウンサーの平井理央
応援ゲストとしてパラフェスを盛り上げた田村(麒麟)、バンビーノ
パラスポーツ紹介のトップバッターを飾るのは花形競技の車椅子バスケットボール。ゲストパラリンピアンの三宅克己と根木慎志が競技の魅力を語った
プロジェクションマッピングによる演出で会場床面がバスケットボールコートに! パラリンピアンの2人が巧みなパスワークや鮮やかなシュートで観客を魅了した
リオパラリンピックの陸上競技で銅メダルを獲得した辻沙絵、多川知希、佐藤圭太、芦田創が登場
義足のスプリンター佐藤が日常用から競技用への義足の付け替えを披露。「競技用は反発力があり、バネを利用して走ります」
疑似陸上トラックでデモンストレーション! 義手を支えにクラウチングスタートを切る多川と辻、3点スタートの芦田、義足を後ろに置く佐藤とスタイルはさまざま
団体競技からは、リオパラリンピックで銅メダルを獲得した日本代表の池崎大輔、今井友明、官野一彦、羽賀理之が出演
「車いすラグビー特有のタックルの迫力と音を感じて」と話し、デモンストレーションでビッグヒットを見せた池崎。その激しい衝撃を受けたバンビーノ藤田は転倒
第二部はブラインドコンサートから。盲目のシンガー木下航志が「Amazing Grace」などを弾き語りした
入場ゲートで配られたアイマスクを着ける観客たち。真っ暗な会場で、木下の歌声と演奏にじっくりと耳を澄ました
同じく視覚障がいのあるわたなべちひろによる「Imagine」に会場は酔いしれた
企業のパラスポーツ支援もサポートするサラ・オレインが美しい歌声を響かせた
この日のクライマックスは人気シンガーソングライター大黒摩季の応援ライブ。「熱くなれ」「あなただけ見つめてる」などを披露。最後は出演者全員で「ら・ら・ら」を大合唱した

text&photos byParasapo

『音楽を通してパラリンピックをもっと身近に。パラフェス2016で5000人の観客が熱狂』