JAL協賛により沖縄県内初! パラスポーツ体験型授業「あすチャレ!School」、全盲シンガー木下航志によるスペシャルライブも開催
日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)は、全国の小中高校生にむけたパラスポーツ体験型授業「あすチャレ!School」を、5月11~12日、沖縄県内で初めて開催した。
「あすチャレ!School」は、東京2020パラリンピック競技大会に向けて、子どもたちがパラアスリートに直に触れ、気づきと学びの機会を提供できるよう、全国の小中高等学校を対象に行うパラサポ主催のプログラム。実施2年目となる2017年度は、日本航空株式会社(JAL)の協賛を受け、競技用具などの空輸などによる展開が可能となり、プログラム開始以来、沖縄県内で初となるあすチャレ!Schoolが実現となった。
全国へ展開するあすチャレ!School
初日の今帰仁中学校のプログラムには1年生97名が参加、今帰仁村の喜屋武治樹村長やJALグループの日本トランスオーシャン航空(JTA)の丸川潔社長も出席し、歓迎ムードの中でプログラム開始となった。
この日の講師は、パラサポのあすチャレ!プロジェクトディレクターでシドニーパラリンピック男子車椅子バスケットボール日本代表キャプテンの根木慎志が務めた。プログラム冒頭で行われるデモンストレーションで、根木が競技用車いすを乗りこなす様子やゴールに向けてのシュートを披露すると「おぉ~」、「わぁー」などと歓声が上がった。
ミニゲームでは、代表生徒20人が4チームに分かれ5対5での車椅子バスケットボールを体験した。バスケットボール部の児童が数人参加していたこともあり、最初からシュートが次々と決まり、歓声続きの白熱した試合が繰り広げられた。3ゲーム目は、同中の教職員たちの試合になると生徒たちの応援の中、どの先生も汗だくになりながら、コートを右へ左へと激しく移動、こちらも生徒たち以上に熱い戦いが繰り広げられた。
ミニゲームにチャレンジした島ミラ(中1)さんはバスケットボール部に所属。「車いすに乗りながらだと、タイヤを回すための腕の力が必要でそれが難しく、いつものバスケットボールとは違った。ただ試合をするのは同じ気持ちなのですごく楽しかった」とコメントした。また、“あすへのチャレンジ”を訪ねると「練習をたくさんして早くベンチ入りを果たしたい」と答えてくれた。
教職員チームで活躍した学習指導員を務める内間さんは、「観るのとやるのは大違い。こんなに激しいスポーツだったとは……。新しい気づきがたくさんあり、生徒たちにとっても、自分にとってもいい経験となった」と話した。
ミニゲームのあとの講話タイムでは、根木講師が「夢を追うこと」や「できないことをあきらめたり恥ずかしがったりせずにチャレンジすることの大切さ」を自分の経験談を交えながら語った。
盲目のシンガー・木下さんがサプライズで登場~絶対音感を披露
今回は、パラフェス、パラ駅伝にも出演した全盲のミュージシャン 木下航志さんがサプライズゲストとして参加し、スペシャルライブが行われた。“木下さんは、アメージンググレース、沖縄出身の音楽グループMONGOL800の『小さな恋のうた』を弾き語りで披露した。”和製スティービィーワンダー“とも呼ばれる木下さんだが、その場で初めて、同校の音楽教員が弾く校歌のメロディを聴いた後に、即興で音楽教諭とのピアノで連弾を弾くというパフォーマンスを披露し、その絶対音感ぶりに、生徒も教職員も驚くという一幕も。最後は、連弾にあわせての生徒たちの校歌の合唱で、幕を閉じた。
根木講師は、沖縄県内初のあすチャレ!Schoolでの感想を「今帰仁村の小・中学生と素敵な出会いとなりました。 車椅子バスケットボール体験会では、生徒達の鳴り止まぬ応援の声、講話では、真剣に聞いている眼差しが大変心に残っています。 また、体育館から見える景色は、透き通るような綺麗な空と海そして太陽の陽射しがとっても心地良かったです」と述べた。
昨年度は目標の100校を超える青森から熊本までの116校を訪問したあすチャレ!Schoolだが、本年度は、北海道から沖縄までまさに文字通りの日本全国へ、250校を目標に展開していく予定である。
「あすチャレ!School」の詳細はこちらから。
text by Chizuko Totake
photo by Parasapo