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ブラインドフットボール
【オリ×パラ競技徹底比較!】サッカーと5人制サッカーの強豪国やルールの違いは?
日本勢のメダルラッシュに盛り上がりを見せる東京2020オリンピック。その大会終了後、8月24日からは東京2020パラリンピックが始まる。ここでは、似てるようで全く違う、オリンピックとパラリンピックの競技を徹底比較! 違いを知るとより観戦が面白くなるポイントを紹介する。
視覚障がいのある選手(B1クラス)が、ボールの音や仲間の声を頼りにゴールを競うパラリンピックの5人制サッカー。「ブラインドサッカー」とも呼ばれ、まるで見えているかのような華麗なプレーは見る者を驚かせる。
一方、今大会に限り24歳以下(※)で行われるオリンピックのサッカー(以下、11人制サッカーと表記)は、半世紀ぶりのメダル獲得を目指す。
※オリンピックの男子サッカーは原則23歳以下で、3名までのオーバーエイジ(年齢制限なし)が認められている。女子は年齢制限なし。
パラリンピックはブラジルが4連覇中!!
アジア勢の健闘も光る!
最新の世界ランキングでは、5人制サッカーが12位、11人制サッカー(男子)が28位。5人制サッカーの上位の顔ぶれは、1位アルゼンチン、2位ブラジル、3位スペインと、11人制サッカーでも有名な強豪国がずらりと名を連ねており、なかでもブラジルは過去4大会すべて制している絶対王者だ! アジア勢の健闘も光っており、中国とイランがそれぞれ銀メダルを手にしている。5連覇か、それとも王者の牙城が崩れるのか、注目が集まる。
11人制サッカーの2000年大会以降の優勝国は、カメルーン、アルゼンチン(2回)、メキシコ、ブラジルと中南米勢が実力を発揮。前回のリオ大会(2016年)ではグループリーグ敗退となった日本は、メキシコ大会(1968年)以来のメダル獲得に期待がかかる。
ピッチサイズはフットサルと同じ!
サイドライン上のフェンスも重要なカギ
5人制サッカーのピッチは、フットサルコートとほぼ同じ幅20m×長さ40m。サイドライン上には、ボールが外に出ることを防ぐために高さ約1mのサイドフェンスが設置されているのも特徴で、跳ね返りを利用したパスやドリブルなどに使われることもある。
さらに、リオ大会(2016年)後のルール改正により、ゴールサイズが従来のフットサルのサイズ(横幅3m×高さ2m)から、フィールドホッケーのサイズ(横幅3.66m×高さ2.14m)に拡大。得点のチャンスと失点のリスクが高まったことで、東京大会ではよりスリリングな試合が繰り広げられることは間違いない。
オフサイドルールは無し!
戦術が試合展開を左右する
ルール上の大きな違いのひとつが、オフサイドの有無。11人制サッカーではオフサイドが「有る」のに対し、5人制サッカーでは「無い」ことから、いわゆる敵陣ゴール前での「待ちぶせ作戦」も可能だ。ただ、一方では守備の人数が手薄になるというリスクもあり、仲間とのコミュニケーションや使う場面がポイントとなってくる。
この他、ゴールキーパーだけは視覚障がいのない晴眼、または弱視の選手が務めてもいいというルールになっており、主に守備に関する味方への指示もゴールキーパーの重要な役割だ。ただし、ゴールエリア外ではボールに触れることができない(違反した場合はファウルになる)。
フィールドプレイヤーをサポート!
敵陣ゴール裏の6人目の「選手」
5人制サッカーでは、アイマスクを装着した視覚障がいのあるフィールドプレーヤーの目の代わりとなってサポートする、「ガイド」と呼ばれるメンバーがいる。ガイドは敵陣ゴール裏に立ち、戦術的な指示のほか、ゴールまでの距離や角度をフィールドプレーヤーに伝え、ゴールを演出する大切な役割を担っている。
選手たちの頼りは耳から得られる情報のみ。的確な指示を送り、選手が最適なプレーを選択できるように導くのがガイドの使命だ。
今大会唯一の3連勝で決勝トーナメント進出を決めたオリンピックの11人制サッカー。8月29日から競技が始まるパラリンピックの5人制サッカーでは、予選から絶対王者・ブラジル、アジアの強豪・中国など強敵国と対戦する。オリンピックの好調発進の流れを受け、5人制サッカーでも“ジャイアントキリング”で、決勝トーナメント進出、メダル獲得を狙う。
↓5人制サッカー競技初日のスケジュールはこちら
【8月29日】東京2020パラリンピック競技大会日程<競技5日目の見どころ>
https://www.parasapo.tokyo/schedule/33342
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text by TEAM A
key visual by Getty Image