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【オリ×パラ競技徹底比較!】オリンピックとパラリンピックの最後を飾る! マラソンの豆知識
いよいよ自国開催の東京2020オリンピックもフィナーレ。しかし約2週間後の8月24日からは東京2020パラリンピックが始まる。ここでは、似てるようで全く違う、オリンピックとパラリンピックの競技を徹底比較! 違いを知るとより観戦が面白くなるポイントを紹介する。
パラリンピックは東京開催!
都心の名所をめぐる熱い戦い
オリンピック、パラリンピックともに、競技日程の最後を飾るマラソン。オリンピックのマラソンは男女計2種目だが、パラリンピックは車いす、上肢障がい、視覚障がい、男女の計5種目でメダル争いが繰り広げられる。
東京2020大会のマラソン競技は、オリンピックは札幌開催、パラリンピックは東京開催と異なる場所で行われる。当初は共に東京開催の予定だったが、暑さ対策としてオリンピックのマラソン開催地が急きょ変更。札幌市中心部の札幌大通公園を発着する周回コースでの実施となった。
対して、パラリンピックのマラソンは、当初の予定通り東京開催で、いずれの種目も最終日の9月5日(日)に行われる。コースはオリンピックスタジアム(国立競技場)を発着点に、浅草・雷門、日本橋、銀座、増上寺、東京タワー、皇居外苑など、東京の名所を駆け抜ける42.195km。アップダウンも多く、とくに終盤の上り坂が勝負を分けるカギとなりそうだ。
車いすマラソンの世界記録は、
フルマラソンを凌ぐ1時間20分台!
パラリンピックのマラソン競技は、障がいの種類や程度、運動機能などによってクラス分けがされており、東京大会では次の3クラス(T12/T46/T54)で計5種目が実施される。
・T12(男子/女子)…視覚障がいクラス
・T46(男子)…上肢切断・上肢機能障がいクラス
・T54(男子/女子)…車いすクラス
このうち、「レーサー」と呼ばれる競技用車いすで走る「車いすクラス(T54/男子)」の世界記録は1時間20分14秒! これは時速に換算すると平均約31kmで、フルマラソン(男子)の世界記録、2時間1分39秒を大きく上回る。スピードに加えて、方向調整やブレーキングなど、競技用車いすを巧みに操る選手たちのテクニックにも注目だ。
歴代メダル獲得数では、
パラリンピックマラソンがリード!
メダル獲得数でもパラリンピックのマラソンが大きくリードしている。シドニー大会(2000年)以降の日本のメダル獲得数は11個! 前回のリオ大会(2016年)でも、T12(男子)の岡村正広選手が銅メダル、同じくT12(女子)の道下美里選手が銀メダルに輝くなど活躍を見せた。なお、道下選手は同クラスの世界記録保持者(2時間54分13秒)でもある。
一方、オリンピックでは、シドニー大会(2000年)の高橋尚子選手、アテネ大会(2004年)の野口みずき選手の2大会連続金メダルが印象に残っている人も多いのでは。ただ、これ以来メダルから遠ざかっている。
視覚障がいクラスでは、
ガイドランナーが伴走!
視覚障がいクラス(T12)では、単独走の選手もいるが、選手の“目”となる「ガイドランナー」が伴走する。競技中、選手とガイドランナーは「きずな」とも呼ばれる一本のロープを握り、42.195km先のフィニッシュラインを目指す。ガイドランナーの最も重要な役割は、コミュニケーションを図りながら選手の能力を100%引き出すことで、文字通り、息の合った走りが求められる。
また、フルマラソンの場合、ガイドランナーは1選手につき2名まで登録が可能で、交代の回数に制限はない。ただし、通常はガイドランナーにも贈られるメダルだが、ゴールまで同じ伴走者という条件があるため、2名体制の場合、ガイドランナーにメダルが授与されることはない。
これまでにも、幾度となく感動的なドラマが展開されてきたマラソン競技。オリンピックには男女各3名、パラリンピックには3クラス5種目に少なくとも9名がエントリー。メダルの行方はもちろん、東京大会にかけてきた選手たちの旅路に想像を巡らせながら、全力で応援しよう!
↓パラリンピックで実施されるマラソンのスケジュールはこちら
【9月5日】東京2020パラリンピック競技大会日程<競技12日目の見どころ>
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text by TEAM A
key visual by Getty Image