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車いすバスケットボール
車いすバスケットボール男子の国際大会「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2018」記者発表
4月12日、一般社団法人日本車いすバスケットボール連盟が記者会見を開き、「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2018」(6月8日~10日)の開催を発表した。同大会は昨年に引き続き2度目の開催となる。
同大会開催の目的について、玉川敏彦車いすバスケットボール連盟会長は、「東京2020パラリンピック競技大会に向けた日本代表チームの強化と、パラリンピックムーブメントの拡大」と説明。昨年の同大会優勝チームであるオーストラリア、車いすバスケットボール界が誇るトッププレーヤー、パトリック・アンダーソンを擁するカナダ、8月の世界選手権開催国であるドイツ、そして日本の4ヵ国で大会が行われることも併せて発表された。
東京パラリンピック会場で開催するメリット
会場は、東京パラリンピックの車いすバスケットボール会場に決定している武蔵野の森総合スポーツプラザ(調布市)。そのメリットを及川晋平ヘッドコーチ(HC)や記者会見に同席した日本代表候補選手の藤本怜央、鳥海連志も感じている。
「この大会は、東京パラリンピックのリハーサルも兼ねています。本番をイメージするうえでは会場への入り口や導線、ミーティングやウォームアップの場所、フロアの大きさや滑り具合、天井の高さ、ゴールの見え方、ベンチの位置など細かい点を把握しておくことも非常に重要なポイントなんです。これほど早い時期に本番の会場を使えるチャンスというのはなかなかないもの。練習や下見の際に、しっかり確認したい」(及川HC)
また、今大会は世界選手権の二ヵ月前に行われることから、東京パラリンピックでメダルを狙うチームの力を試す絶好の機会でもある。その点について、及川HCは、「ちょっと試してみようなんて中途半端な気持ちはありません。『こいつを出せば勝てる』という選手を選んだうえで我々の持っている力を出し切って、結果につなげたい」と意気込みを語った。
世界上位国を撃破する!
「私がバスケットボールをする意味、日本代表のユニフォームを着てコートに立つ意味、それはチームを優勝に導くことです。ここでこのような発言をして自分にプレッシャーを与えている。プレッシャーをしっかり受けて大会に臨みたい」
と力強く語ったのは、東京パラリンピックでの活躍が期待される若手の鳥海だ。
前回大会では4チーム中3位で、「去年は世界の壁を日本国内で感じることができた」(藤本)。今回は「全勝優勝」を目指す。そのために必要な主なポイントは5つあるという。
「ベリーハードワーク、競争心、闘争心、団結力というテーマでチーム作りをしているので、それがきちんと発揮できるか。運動量とスピード、クイックネスを活かしたプレーができるか。勝者のメンタルを発揮して戦えるか。ベーシックの精度をどこまで高められるか。そして、リオ以後に取り組んできた新戦略が機能するか。これらがポイントになると考えています」(及川HC)
さらに、観客の応援も不可欠だ。
「応援は間違いなく大きな力になります。皆さんに応援してもらうためにも、我々は、観て楽しい、迫力のあるプレーをしなければならないし、観客を盛り上げる工夫も必要です。そうして大会が盛り上がれば、観てくださる方も2020に対していいイメージを描きやすくなると思う。日本全体でパラリンピックを盛り上げるためにもいい大会にしたい」(及川HC)
なお大会は、国際レベルの競技役員、審判・スコアラー、時間管理をするテーブルオフィシャルなどの競技役員、競技運営のサポートボランティアの育成の機会にもなる。また、会場周辺の自治体と連携して各チームの事前キャンプを受け入れ、体験交流会や公開練習などを通じ地域住民との交流を図る取り組みも実施予定だ。
主役である選手も、運営側も、観客も。2020年に向けた”最初のリハーサル”を一体となって盛り上げられるか。
text by TEAM A
photo by X-1