「OEN-応援」する人~サポーター編/車いすバスケットボール~

「OEN-応援」する人~サポーター編/車いすバスケットボール~
2018.11.13.TUE 公開

来たる2020年、東京パラリンピックで世界最高のパフォーマンスを楽しめるのは22競技540種目。もちろん、各競技のアスリートは気になるところですが、選手や競技、大会を支える人たちがいることもパラリンピック、パラスポーツならではのおもしろさ。さまざまな立場で競技を愛し、選手や大会を支える人にフォーカスする「OEN-応援する人」シリーズ。2020年に向けて、パラリンピックムーブメントをきっかけとした共生社会が実現するように、パラリンピック、パラスポーツの関わり方を紹介していきます。

謎めいた緑のマスクマンが、
車いすバスケの会場を熱く盛り上げる!

車いすバスケットボールの試合会場で、ひときわ目を引く緑のマスクを被った謎の男。それが「埼玉ライオンズ」を応援し続けるマスク・ド・グリーン氏だ。彼にあおられ、会場は大いに盛り上がる。観客の熱い声援は間違いなく選手たちに届き、力になっているはずだ。

埼玉ライオンズ非公式サポーター
マスク・ド・グリーン

Q.パラスポーツに興味に持ったきっかけは?
A.パラスポーツとしてではなく、車いすバスケットボールが好きなんです

実はパラスポーツに興味があるわけじゃないんですよ。パラスポーツって言い方もあまり好きじゃない。障がい者だろうが健常者だろうがスポーツであることは同じ。数ある競技のひとつだと思っています。車いすバスケットボールが好きなだけで、それ以外のパラスポーツのことは全然わかりません。

Q.埼玉ライオンズを応援している理由は?
A.地元愛が強く、地元のクラブを盛り上げたいんです

埼玉県民で、地元のスポーツを盛り上げたいんですよね。もともと、B.LEAGUEの埼玉ブロンコスを応援していたことが縁となり、埼玉ライオンズを応援するようになりました。

Q.マスクをかぶっているのはなぜ?
A.バカなことも恥ずかしくなくできるから(笑)

最初は、ほんのおふざけでかぶりました。でも、マスクをかぶっているとピエロになれて、ちょっとバカなこともできちゃうんですよね。それに子どもたちがおもしろがって、盛り上げやすいんです。自分がバカなことをやれば、まわりも安心して盛り上がってくれます。マスクは場を盛り上げるための大事なアイテムです。日本代表を応援するときは、黒いマスクと日の丸がプリントされたTシャツではせ参じますよ。

Q.いつから応援しているの?
A.2008年くらいから。ちょうど10年ですね

当時は、2人からのスタートでした(笑)。選手からも恥ずかしいからやめてほしい、とか言われたりね。でも、埼玉ライオンズのヘッドコーチが「応援は力になるから続けてもらおう」と言ってくれて、選手たちも受け入れてくれるようになりました。車いすバスケットボールの選手は応援に慣れていないかもしれないけれど、観客の応援は絶対に選手のためになると信じています。

Q.サポーターとしての心構えは?
A.慢心せず、素直に応援することです

サポーターは応援することはいいことだ、と思い込んでしまいがち。たしかに応援がマイナスになることはないだろうけど、「応援してあげている」というように慢心しないように気をつけています。僕たちは、チームが勝つためのお手伝いをしているだけです。チームの公認ではないので、互いに気楽なのもいいですね。

Q.これからサポーターになるためには、どうすれば?
A.まずは、いっしょに手拍子を! 気軽に声をかけてください

出来あがっているチームに入るのは勇気がいるかもしれませんが、チームや選手を応援したいという気持ちは同じです。気軽に声をかけてください。それもちょっと恥ずかしいという人は、いっしょに手拍子をするだけでも盛り上がれます。タオルやTシャツなどチームカラーのものを身に着けるとチーム愛も表せると思います。相手チームへの威圧感にもなりますしね(笑)。

Q.東京2020パラリンピックに向けて、どんなことをしたいですか?
A.他チームの応援団といっしょに日本代表を応援したいですね

車いすバスケットボールには応援団が少ないんです。だから、会場の皆さんとは日本代表を応援するという意味で、気持ちがつながれたらいいなと思います。あと、選手は大きな会場で、大声援の中で試合をするという経験も少なく、萎縮して本来のパフォーマンスが発揮できなくなってしまうことも。だから、今からみんなで熱い声援を送って、選手が応援されるのは当然なことだと場慣れしてもらいたいなと思っています。

※取材日:2018年5月20日/天皇杯 第46回日本車いすバスケットボール選手大会

text by Miho Sasaki(都恋堂)
photo by Parasapo

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