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車いすテニス
世界のトッププレーヤーが集結!JAPAN OPEN 2018
2018年5月14日〜19日、福岡県飯塚市で、車いすテニスの「ジャパンオープン(飯塚国際車いすテニス大会)」が開催される。ジャパンオープンは、1985年に第1回大会が開催され、今年で34回目を迎える。全豪、全仏、ウィンブルドン、全米の4大大会、グランドスラムに次ぐグレードの大会で、各国から世界のトッププレーヤーが集結する国内最大の大会として年々注目度が高くなっている。さらに、今年からは、天皇盃、皇后盃が下賜(かし)され、男子シングルス優勝者には天皇盃が、女子シングルス優勝者には皇后盃が贈られる。初の天皇盃、皇后盃は、だれの手に渡るだろうか。
完全復活の国枝、急成長のクァードの菅野に期待
男子は世界ランキング1位のアルフィー・ヒューエット(イギリス)、2位のグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)、3位の国枝慎吾など、世界のトッププレーヤーが今年も集結する。
昨年のジャパンオープンでは、ひじのケガから復帰して日も浅かった国枝は、2回戦でフェルナンデスに敗れた。昨シーズン終盤からようやく手応えをつかんできた国枝は、今年に入り、1月の全豪で3年ぶりのグランドスラム優勝を果たした。ヒューエット、フェルナンデス、さらに、昨年の優勝者であり、リオパラリンピックの金メダリスト、ゴードン・リード(5位イギリス)など、強豪ひしめくなかで、今年は国枝がどのようなプレーを見せてくれるかも楽しみだ。
クァードの日本勢、諸石光照(6位)、菅野浩二(10位)の活躍にも期待したい。とくに、昨シーズンからクァードに転向した菅野が、どこまで戦えるのか注目だ。昨年のジャパンオープンでは、男子のクラスで出場していたため、今年のジャパンオープンが、クァードのプレーヤーとして初めての参戦となる。昨年、クァードに転向してから、ほぼ1年で世界ランキング10位にまで順位を上げてきた。世界のトッププレーヤーが集まるこの大会で、どこまで勝ち上がることができるだろうか。
6連覇に挑む、女王上地
女子は、上地結衣(世界ランキング1位)の6連覇に期待がかかる。上地は、昨年の夏頃から車いすを変えて、自分のテニスを新たな局面に引き上げようと取り組んできた。2017年5月に世界ランキング1位に返り咲き、その後もシーズン終了まで1位をキープ。車いすを変えた直後のウインブルドンではダブルスで優勝、USオープンでもシングルスで優勝を果たすなど好調だった。
昨年末、「三井不動産全日本選抜車いすテニスマスターズ」で10連覇を果たした後のインタビューでは、「(昨年の)7月に車いすを変えたことで、プレースタイルも少し変えた部分があった。新しいことをしているので結果は出ないだろう、今年はテストの年だというふうに臨んだことが結果につながった」と語った。そして、「2018年に向けて、いい形になればいい」と話していた上地。新しい車いすにも順応し、2018年はさらに勝負にこだわるシーズンになっていくだろう。
2017年、確かに上地は好調ではあった。だが、シーズン終盤から今年の全豪までに、世界ランキング2位のオランダのディード・デグルート(オランダ)に3連敗を喫している。ただ、そのデグルートは、ジャパンオープンには欠場する可能性が高いため、おそらく、第2シードは3位のアニク・ファンクート(オランダ)になるだろう。ファンクートには、2017年シーズン8戦全勝の上地。ジャパンオープン6連覇達成は、確実とも言える。上地にとっては、勝ちにいかなくてはならない、勝負の大会となるだろう。そして、初の皇后盃を手にしたいと考えているはずだ。
4月24日に24歳となり、身体的にも精神的にもますます充実していくだろう上地。新しい車いすをさらに乗りこなし、上地自身が目指すプレーをジャパンオープンで見せつけてもらいたい。
※世界ランキングは2018年4月30日時点text by Tomoko Sakai
key visual by X-1,Getty Images Sport
JAPAN OPEN 2018 – 第34回 飯塚国際車いすテニス大会
http://japanopen-tennis.com/
日本車いすテニス協会
http://jwta.jp/about/guidebook/