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パラリンピック教材「I’mPOSSIBLE」、全国各地で教員研修を実施
国際パラリンピック委員会公認教材I’mPOSSIBLE (アイムポッシブル)が全国の小学校に配布されてから3ヵ月経過し、各地で教材活用の動きが出始めている。この7月には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の東京2020教育プログラム「ようい、ドン!」の公式教材として、ダウンロードも可能となった。
パラリンピック教育を浸透させる教材
I’mPOSSIBLE国際(英語)版をもとに、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会(JPC)と、日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)、公益財団法人ベネッセこども基金が日本版教材を共同開発した。この教材は、座学の授業2回分、パラリンピックスポーツの体験授業が2回分、計4回分の授業ができる教材セットで、来年度以降も新しい教材セットが発表される予定だ。
実際に教材を使用した教師からは「パラリンピックのことは全く知らなかったが、必要な情報や授業で使用する素材がコンパクトに詰まっていて、負担なく授業を行うことができた」「今までは パラリンピック教育は『やらなければいけない』ものだったけれど、この教材を見て『やりたくなった』。「使ってみたら、自分でもパラリンピック教育ができることがわかった」など、声が寄せられている。初版は小学生向けとして開発されたが、中学・高等学校などでも幅広く使われ始めている。
7月11日には、京都府オリンピック・パラリンピック教育推進校となっている小中高等学校の教員ら80名が集まる研修会が行われ、パラサポのプロジェクトマネジャーでパラリンピアンのマセソン美季がI’mPOSSIBLEの説明を行った。
マセソンは、「パラリンピック教育は、パラリンピックの歴史や競技について学ぶだけではありません。パラリンピック選手の活躍を通して自然と障がいについての理解を深め、知識を得る機会を提供できるし、人権尊重や国際理解について発展させることもできるでしょう。そして、未来を担う子どもたちに、パラリンピック選手たちのように、不可能だと思えたこともあきらめずに続け、自分の限界に挑戦する姿勢を学んだり、できないことではなく、できることに注目してがんばる姿勢を身につけたりしてほしい」と訴える。
教材には、指導案、ワークシート、動画、スライドデータなど、授業で必要なものがそろっている。クイズを通して楽しみながらパラリンピックについて学んだり、考えたりできる構成だ。実技指導もしやすいように、指導のポイントが映像でわかりやすく紹介されている点も、教師から好評を得ている。
これまでパラリンピック教育は、外部から選手や講師を招いて、出前授業をやってもらうものだと考えられていた。「興味はあっても、何を教えればよいか分からない」という教育現場の声に応えるかたちで、I’mPOSSIBLEが開発された。
教員や関係者向けの研修を実施
JPCとパラサポによって運営されているI’mPOSSIBLE日本版事務局は、「教員研修、校長会、教育関係者が集まる場などで、教材の紹介や内容説明、パラリンピック教育の意義などをわかりやすく説明し、教材の普及推進に努めたい」と呼びかけている。8月には、北海道や千葉県、東京都などでもI’mPOSSIBLEの教育研修が行われる予定だ。教材に関する説明会や研修会の依頼は同事務局で受け付けている。
text&photo by Parasapo
<お問合せ先>
I’mPOSSIBLE日本版事務局
(公益財団法人日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会/日本財団パラリンピックサポートセンター)
〒107-0052 東京都港区赤坂1-2-2 4階 TEL:03‐6229-5404
E-mail:iampossible@parasapo.tokyo
※お問い合わせは、原則メールでお願いいたします