「いい推しの日」最新! パラスポーツ界の推し活事情
11月4日は「いい推しの日」。いまや、日本人の約3割が推し活*をしているそう。2023年のユーキャン新語・流行語大賞に「4年ぶり/声出し応援」がノミネートされたように、スポーツ観戦もコロナ禍以前の楽しさと熱気が戻ってきた今年、日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ)は、運営するSNSで「#パラ推し祭」と題し、推しのパラスポーツや、推しのパラアスリートとの笑顔になったエピソードなど、パラスポーツ界の推し活事情を聞いてみました。7,000を上回る「いいね」やコメントで、さまざまなストーリーがありましたので、コメントから読みとった注目ポイントを紹介します。
*モニタス調べ
投稿は「#パラ推し祭」で探せます。
今回ピックアップしたコメントは、本当に一部です。「わかる!」と思えるエピソードがそれぞれにあると思うので、各アカウントでプレイバックしてお楽しみください。
パラサポ公式Instagram|https://www.instagram.com/parasapo/
パラサポ公式X(旧Twitter)|https://twitter.com/parasapo
10代のパラアスリートの言葉に…
まずは、現在車いすテニス世界ランキング1位、2006年生まれの小田凱人選手への推しコメントから。
“不安との向き合い方を問われ「うまく行かないのが自分の中で当たり前」と語ったときの衝撃は忘れられません”
続いて、10月にカザフスタン共和国で開催された「2023 パラアイスホッケー世界選手権」の日本代表チーム優勝に貢献し、大会ベストプレーヤー MVPに選ばれた2005年生まれの伊藤樹選手とのエピソードがこちら。
“そんな風に言ってくれた人は初めてで、感銘を受けた。アイスホッケーを知らなかった我が子も私も主人も樹くんが大好きになりました”
やっぱり地元のアスリート!
“出身が同じ福岡の豊田まみ子さん!”
“長男と同級生でチームメイトだった藤原くん!勉強もできる頑張り屋さん。今の活躍が本当にうれしいです!”
バドミントンの元世界女王、豊田まみ子選手と東京パラリンピックで銅メダルを獲得した藤原大輔選手には、地元のファンから推す声が届きました。
“2児の母。これまで競技スポーツ経験なし。安芸の宮島、朱の鳥居を見ながら練習頑張ってます”
2022年度の才能発掘チャレンジ「J-STAR」プロジェクトで現れたローイング期待の新星、髙野紋子選手にも注目!
“成人式で会えて短い時間だったけど話すことが出来ました。私たち家族は橋本勝也選手の大ファンで、これからも応援させていただきます”
橋本選手は、2022年11月に開催された「三井不動産2022車いすラグビーSHIBUYA CUP」で、初のキャプテンを務めました。
“中学野球チームの教え子です。いつも勇気もらってます”
今回、特にたくさんの推しコメントが寄せられたのは、ゴールボールの佐野優人選手。
本日11月4日から明日まで、新宿スポーツセンターにてクラブチーム日本一をかけて戦う「MONEY DOCTOR パラスポーツスペシャル 第30回 日本ゴールボール選手権大会」が開催されます。佐野選手も出場予定で、観覧自由だそうです。
YouTubeチャンネル「Goalball Channel JAPAN」で10月31日にリリースされたばかりの「はじめてのゴールボール」観戦マナー編。競技紹介編とルール編も、オススメ
キーワードは“身近”
“挑戦し続ける姿が好き!お話しすると紫乃さんめっちゃ優しいの”
バドミントンS/Jリーガーからフェンサーへ転身した車いすフェンシングの河合紫乃選手へも推しコメントがたくさん入りました。
“美味しい日本酒を注いでくれた面白くて優しいスタッフのお兄さんやと思ってたら、後日凄い人やったってのを知って驚きと同時に申し訳ない気持ちになった…これからはしっかりと応援します!!!”
こちらは、スノーボード、岡本圭司選手とのエピソード。今回の“祭”を、推す側も推される側も一番楽しんでくれたのが、スノボ担当のみなさんかも!? 冬競技のシーズンが始まるので、今後の活躍にも注目です。
“体験会の時に、いつも、どの選手よりも近くで応援してくれるハートが気持ちいい選手”
パワーリフティングは、この奥山一輝選手へのメッセージにはじまり、普及イベントによく参加しているという光瀬智洋選手の名前をあげる人も多かったです。さらに、光瀬選手と同じく東京2020パラリンピックに出場した坂元智香選手と直接話したことで興味を持つようになったという投稿も。体験会などでパラアスリートに応援してもらえたという貴重な経験が、次は大会で彼らを応援しようという気持ちにつながるようです。
“杉村英孝選手、廣瀬隆喜選手、遠藤裕美選手の東京カップ団体戦がほっこりしたのでまとめて推しで!”
誰でも参加できる大会として今年3月に開催された「ボッチャ東京カップ2023 supported by かんぽ生命」にはボッチャ日本代表「火ノ玉ジャパン」のチームも出場。ハイレベルな戦いを制し優勝したのは、杏林⼤学ボッチャ部でした。
“車いすラグビータックル体験、周りは迫力に驚いていましたが、ずっと笑って喜んでいた私”
選手箱推しのコメントより。パリ2024パラリンピックの出場権を獲得している車いすラグビーからも目が離せません。
“Asue大阪プールで見た宇宙さんの実物は信じられないぐらいかっこよかったです!”
水泳の富田宇宙選手は、アジアパラで金2、銀2のメダルを獲得しました。
“ソメイティの推し活をしていく中で、パラスポーツの世界が身近に!”
“私にとって今年最大の出来事は(車いすバスケットボールのクラブチーム)神奈川VANGUARDSさんが愛媛に来てくださったこと”
チーム推しのコメントのほか、神奈川VANGUARDSに所属する鳥海連志選手、古澤拓也選手、髙柗義伸選手、丸山弘毅選手への推しメッセージもたくさんありました。クラブチーム日本一を決める「天皇杯 第49回日本車いすバスケットボール選手権大会」は2024年2月3日~4日に東京体育館にて開催されます。
“祭”の期間中は、日本代表選手259名が参加したアジアパラが開催されていたこともあり、同大会の新種目、カヌーに出場した瀬立モニカ選手や、陸上競技で金メダルを獲得した井谷俊介選手への応援メッセージも届けられていました。
“これは困った!いっぱいいすぎて絞れない!”というコメントも
アーチェリー、アルペンスキー、車いすカーリング、射撃、柔道、卓球、トライアスロン、ノルディックスキー、馬術、ブラインドフットボール、……まだまだたくさんあるパラスポーツ、応援しているパラアスリートの中から、どの競技を、チームを、選手を選んで“推しコメ”をポストするか、コメント募集期間ギリギリまで考えた人が少なくなかったのも印象的でした。
また、ロサンゼルス2028パラリンピックに採用されるかどうかが注目のパラサーフィンを推す人や、シッティングバレーボール、自転車競技、テコンドーの海外選手を推すなど“ツウ”な推しコメントもあったので、今回の“祭”をきっかけに、新しい扉が開く人もいるかもしれません。
パラスポーツ界の推し活事情はこれからもどんどん選択肢が増えて、忙しくなりそうな見込みです。
text, key visual & photo by parasapo