“パリの日の出”をイメージした「TEAM JAPANオフィシャルスポーツウェア」の記者発表会で廣瀬、木下らが決意新た
パリ2024オリンピック開幕まであと100日という節目で発表されたパリオリンピック・パラリンピック日本代表選手団の公式ウエア。都内で行われた「パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会TEAM JAPANオフィシャルスポーツウェア記者発表会」には橋本大輝(体操)、西田有志(バレーボール)らオリンピックの注目選手に加え、ボッチャで5大会目のパラリンピックに挑む廣瀬隆喜、水泳で日本代表に内定している木下あいら、西田杏らが登壇した。
記者発表では、パリ2024オリンピック日本代表選手団の尾縣貢団長に続き、パリ2024パラリンピック日本代表選手団の田口亜希団長があいさつ。
「パリ大会でもオリンピックTEAM JAPANのみなさんと同じ服装をまとい、パラリンピック日本代表選手団一同、練習を積んできた成果を最大限に発揮し、活力ある共生社会の実現に向けて、パラリンピアンが体現するパラリンピックの価値を伝えられるように頑張ってまいりたいと思います」
パフォーマンスとサステナビリティがテーマ
オリンピックとパラリンピックが同じデザインのウエアを着用するようになったのは、2016年のリオ大会から。アシックスが作製した今回のウエアは、表彰式や選手村などで着用される。
コンセプトは、「パフォーマンスとサステナビリティの両立」。
パリは寒暖差が激しいことが予想されるため、「ポディウムジャケット」には着ている人の動きに合わせて孔が開閉するメッシュ素材が一部に使われ、衣服内温度を快適に保つ仕組みになっている。
一方、環境に配慮し、シャツやシューズなど全アイテムでリサイクル素材を使用。「ポディウムジャケット」と「ポディウムパンツ」は東京大会のウエアと比較して二酸化炭素の排出量を34%削減したという。
“パリの日の出”をイメージした赤を基調としたデザイン。
赤色に愛着があるという陸上競技・円盤投げの新保大和は、アシックス所属でもあり「自分が働いている会社のウエアを着て出場できるのが誇り。メダルが目標です」と話した。
東京大会ではサンライズレッドのウエアで表彰台に上がったトライアスロンの宇田秀生は、「僕は片腕なのでファスナーが(普段は使いづらいことがあるが)びっくりするくらいスムーズ。ストレスがなく、競技に集中できる」とウエアの印象を口にした。
ボッチャのレジェンドであり、パリの日本代表に内定している廣瀬も、ウエアについてコメントした。
「パリは寒暖差が激しいと聞くが、着脱しやすいウエアで心配なく羽織ることができる」
廣瀬は東京大会ではチーム戦で2大会連続メダルになる銅メダルを獲得したが、個人では12位に終わった。5大会目になるパリでは、チームはもちろんのこと、個人戦でもメダル獲得を目指す。
この日、いち早く日本代表ウエアにそでを通し、「気持ちが引き締まります。刺激になりました」と話した。
一方、初出場でメダル獲得が期待される水泳の木下は、記者発表を終え「楽しいステージでした」とにっこり。
パリに向けては「初めてのパラリンピック、楽しみたい。自己ベストを出して金メダルを獲りたいです」と意気込んだ。
応援を力に
パリに向けて着々と準備を進めているアスリートが集まった一方で、1月のアジアオセアニアチャンピオンシップスでパリの出場権を逃した車いすバスケットボール男子日本代表・鳥海連志も登壇した。
アシックス応援パートナーとして、元卓球日本代表の石川佳純さんとともに登場した鳥海は、「出られない分、選手の皆さんを全力で応援していきたいと思います」。
また記者発表の中で、鳥海が陸上競技の田巻佑真に、応援アイテムであるミサンガをプレゼントする場面も。受け取った田巻は「この応援を力に、夢に向かって頑張っていきます」と話した。
東京大会は無観客だった。「直接応援を感じることはできませんでした」と陸上競技・竹村明結美は振り返る。
「SNSからの応援ももちろんですが、東京大会のときには会場や選手村で働いてくださっているボランティアの方々からの声援がものすごく力になりました。(応援があると)僕らも応えたいとがんばれるのでぜひ応援して欲しい」と呼びかけたのは、車いすラグビーの若山英史だ。
パリと日本は時差もあるが、テレビやネットでパラリンピック観戦をする人はスクリーン越しに“パリの日の出”を見てみてはいかが。
text & photos by Asuka Senaga
key visual by JOC/JPC/ASICS