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Sports 競技を知る
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【パラスポーツ!これだけは知りたい】アルペンスキー

アルペンスキー(パラアルペンスキー)は、雪の斜面をスキーで滑り降り、ゴールするまでのタイムを競うスポーツ。パラリンピックで実施される種目は、高速系の「ダウンヒル(滑降)」「スーパーG(スーパー大回転)」、技術系の「スラローム(回転)」「ジャイアントスラローム(大回転)」、そして「スーパーG」と「スラローム」を組み合わせた「スーパーコンバインド(複合)」の5つ。高速系の「ダウンヒル」などではスピードは時速100kmを超えることも。

クラス分け
障がいの種類によって、立位、座位、視覚障がいの3つのカテゴリーがあり、その中で障がいの程度や種類によりさらにクラスが分かれている。このクラス分けは、選手のタイムに関わってくる。
「計算タイム制」では、実際のタイムに選手のクラスによって決められた係数をかけた計算タイムが、選手の記録となる。
たとえば、実際のタイムが100秒、係数が80%の選手の計算タイムは80秒。実際のタイムが90秒、係数が90%の選手の計算タイムは81秒になる。
この係数は、障がいが重いほど小さく、障がいが軽いほど大きくなるよう設定されており、障がいの程度が異なる選手同士でも、公平に競い合うことができるよう工夫されている。

競技用具
下肢に障がいのある選手は、1本または2本のスキー板にシート一体型のフレームが取り付けられたチェアスキーを使用する。選手の体にフィットするように作られたシートに、人間の膝のように衝撃を吸収するはたらきを持つサスペンションなど、すぐれた技術を集め、選手が最大限の力を発揮できるようチューンアップされている。
また、下肢に障がいのある選手はストックの代わりに端がスキーのようになっているアウトリガーという用具を使用する。

ここに注目
高速で滑り降りることを可能にするスキーを操る繊細な技術、片脚がない選手が片足のスキーと両手に持ったアウトリガーで滑り降りるテクニック、視覚障がいカテゴリーの選手が、選手の目となって選手の前を滑り声で選手を先導するガイドと一緒に滑る一体感など、選手の障がいに応じたそれぞれのスタイルにも注目したい
選手が自分の障がいに応じたそれぞれのスタイルで滑る様子にも注目したい。

text by parasapo
illustration by Kazue Shima