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ひたすら蹴り!蹴り!蹴り! 多彩な技と選手の個性が光る魅力たっぷりのパラテコンドーを見よ!
2019.08.05.MON 公開
パラテコンドーって、一体どんなスポーツ?
簡単に言うと・・・
①基本ルールは一般のテコンドーと同じ
②得点になる攻撃は「蹴り」のみ
③足技が多彩で「足のボクシング」との異名もある
④豪快な技で1発逆転もありえる
パラテコンドーとは、東京2020パラリンピックから正式競技となる蹴り技主体の格闘技。基本ルールは、一般のテコンドーと同じ1対1で行い、制限時間内で決まった足技に応じて得たポイント数を競う。東京パラリンピックでは、男女ともに1クラスで、さらに体重別に3階級に分かれて競技が行われる予定だ。
パラリンピック特有のルールとしては、胴部への足技だけが有効な攻撃となり、パンチなどは有効打とは見なされず得点にはカウントされないという点がある。そして、頭部への蹴りは禁止となっている。
この競技の大きな魅力は、選手たちが繰り出す、力強さとスピード感にあふれる蹴りの応酬にある。また、片腕欠損の選手は腕がある方を前にして構えたり、両腕がない選手は脚をガードに使ったりというように、障がいの部位や程度により、それぞれの選手が戦い方を工夫しており、選手によってファイティングスタイルが異なる点にも注目したい。
ここに注目!観戦が面白くなるポイントは?
①蹴り方の違いで得点が変わる
東京2020パラリンピックでは、上肢障がい選手を対象とする種目のキョルギ(組手)が行われる。キョルギは、胴体への3種類の蹴り技が得点の対象となる種目だ。
一般のテコンドーでは頭への攻撃も可能だが、パラテコンドーでは禁止のため、蹴りの種類で高得点を狙う。
相手に対して、シンプルに繰り出す蹴り技は1回決まると2点。180度の回転が加わった後ろ蹴りは3点。そこからさらに軸足を入れ替え、体を360度回しながら繰り出す蹴りは4点となる。
このように蹴り方よって点数が異なるため、選手たちは戦局に応じて、点差を広げるため、また逆転を狙うために、蹴り技を意図的に組み立てて戦う必要がある。フィジカル的な強さもさることながら、戦局を冷静に見つめられる精神的な強さも必要となってくるのだ。
②ディフェンスに選手の創意工夫が凝縮!
豪快な蹴りの応酬が、見応えあるゲーム展開を作るパラテコンドー。攻撃のダイナミックさに注目が集まりがちだが、実は相手の攻撃をガードする防御力にも見どころが満載だ。選手によって障がいが異なるので、ガードをする際も体の使い方に独特の創意工夫が見られ、それぞれの個性がいかんなく発揮される。
観戦していると「その攻撃をそう防御するのか!」という場面によく出くわすから面白い。攻撃も防御も個性満載のパラテコンドーは、ひとつとして同じようなゲーム展開がなく、そんな競技性も大きな魅力となっている。
東京2020パラリンピックでもパラテコンドーに注目!
世界的にはまだ競技人口が少ないスポーツではあるが、東京2020パラリンピックでの正式採用が決まり、確実に注目度も上がってきている。日本では、オリンピック・パラリンピックの代表合宿が合同で行われるなど、環境面での整備などメダル獲得へ向けて強化中だ。多彩な蹴り技に、個性的なプレースタイルと魅力満載のパラテコンドー注目しよう!
パラテコンドーの種目、クラス分けが書かれたページはこちら
text by Tsutomu Mikata(Parasapo Lab)
photo by Getty Images Sport
参考資料:『かんたん!テコンドーガイド』(外部サイト:公益財団法人日本パラスポーツ協会)