アイスホッケー日本代表、8年ぶりのパラリンピック出場も遠い一勝/平昌パラリンピック

アイスホッケー日本代表、8年ぶりのパラリンピック出場も遠い一勝/平昌パラリンピック
2018.03.14.WED 公開

アイスホッケー日本代表チームの8年ぶりのメダルへの挑戦が終わった。

2大会ぶりのパラリンピックで上位進出を目標に掲げていた日本代表は13日、8ヵ国が2グループに分かれて行った予選を戦った。結果は、韓国、アメリカ、チェコに敗れ、0勝3敗。厳しい結果を突きつけられた。

チェコ戦の後「先制点を取りたかった」と語った中北浩仁監督 Ⓒ X-1

重要な初戦・日韓戦で黒星

初戦は日韓戦だった。試合が動いたのは第2ピリオド。韓国のジャン・ドンシンがゴールネット右隅にパックを突き刺し先制。韓国側の応援で埋め尽くされた会場からは、割れんばかりの拍手と歓声が鳴り響く。この一撃で日本は韓国に主導権を奪われると、第3ピリオドでは立て続けに3失点。だが、そのまま試合終了かと思われた残り2分。一矢報いたい日本は、FWの髙橋和廣が貴重なゴールを奪ったが反撃までには至らず、1‐4で試合を終えた。

貴重な1点を決めた髙橋 © Getty Images Sport

キャプテンの須藤悟は試合後、「第1ピリオドはパーフェクトな守備でした」と語るも、2大会ぶりにパラリンピックに戻ってきた日本にとって、スピードとパワーを持ち合わせ、さらに地元開催で勢いに乗る韓国は大きな壁だった。だが、髙橋は「得点が獲れなかったことと、得点が取れたことは意味が違う。これは明日につながる1点」と次戦につながるゴールだったことを強調した。

声援を力に変え、勝利した韓国チーム © Getty Images Sport

続く2戦目は、前々回のバンクーバー大会と前回のソチ大会で2連覇を達成した強豪国のアメリカ。試合前、初戦でゴールを決めた髙橋は「明日は奇跡を起こしたい」と話していたが、圧倒的な強さで攻めるアメリカになすすべなく、0‐10で大敗を喫した。

決定力に欠けたチェコとの対戦

そして迎えた3戦目のチェコ戦。グループリーグ2敗の日本はすでに予選敗退が決まっているが、前々回の銀メダルチームとしても意地は見せたいところだった。

相手は過去に何度も対戦している「ライバルであり、仲間」(FW熊谷昌治)のチェコ。日本チームは鉄壁を誇る相手GKのミハル・バペンカを攻略しようと、第1ピリオド序盤から果敢に攻めるも、なかなかゴールが決まらない。
「GKを振ろうと意識しすぎて、シュートよりもパスに意識がいってしまったと思う」(DF上原大祐)

0‐0で迎えた第2ピリオド。日本の上原がフッキングでペナルティになると、甘くなったディフェンスの穴を狙われ、パワープレー終了直後に失点。第3ピリオドでも日本は得点の突破口をつかめず、あっという間に2失点目を与えてしまった。残り2分を切ったところで日本はパワープレーに出るが、攻めきれず失点を追加。0-3で敗れ、5‐8位プレーオフに回ることとなった。
※フッキング:スティックのブレードの部分で相手を引っかるファール

5‐8位プレーオフは14日、ノルウェーとの対戦が決まっている。平均年齢40歳超の日本代表は、いまできる最高のパフォーマンスを見せ、次世代にバトンを渡す。

text by Asuka Senaga

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