箱根王者の青学大、視覚障がい者マラソン伴走者の普及・育成への協力を表明
青山学院大学は3月5日、今年正月の箱根駅伝で2連覇を達成した同大陸上競技部駅伝チームの優勝記念セレモニーを都内で行い、その席上で堀田宜彌(のぶみつ)理事長が幼稚園から大学院までの学院全体でパラリンピックやパラスポーツへの積極的な支援に取り組むことを発表した。さらに、駅伝チームの原晋(すすむ)監督も今後のチーム目標の一つとして、視覚障がい者マラソンのガイドランナー(伴走者)の普及・育成に協力していく考えを明かした。
ガイドランナーとは、全盲や重度弱視のランナーの目の代わりとなり、ロープなどでつながり合って横を走り、誘導する役割を担う。ひとりでは走れない視覚障がいランナーには欠かせない存在であり、伴走者不足は慢性的な課題だ。日本盲人マラソン協会でも以前から、伴走者養成講習会を開いたり、大学や実業団に協力を仰ぐなど普及・育成に取り組んでいるが、昨今、パラリンピックを目指す選手の数も増え、レベルも上がっているなか、支援体制の広がりは心強いものとなる。
ガイドランナーについて、新チームのキャプテンを務める安藤悠哉選手(3年)は、「自分たちでできることがあれば、しっかりと協力し、一緒に走りたい」と話し、今年の箱根で4区区間賞の田村和希選手(2年)は、「パラリンピック選手の皆さんも、僕たちと同じ思いで競技をやっていると思う。その思いに貢献できるなら、僕たちもすすんで貢献し、日本中を沸かせたい」と意欲を見せた。
日本パラリンピック委員会委員長であり、日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)の山脇康会長もセレモニーの来賓として登壇。同院のパラスポーツ支援の申し出に謝辞を述べるとともに、「駅伝チームの皆さんがガイドランナーの普及に協力いただけることは、『百人力』。パラリンピックやパラスポーツの知名度はまだ低いが、人々の心を豊かにし、勇気や気づきを与える大きな力がある。皆さんの協力は本当に楽しみ」と感謝した。
text & photo by Kyoko Hoshino