2024年がスタート。パラリンピックイヤーの抱負を聞いてみた
2024年のパラスポーツは、8月に幕を開けるパリ2024パラリンピックで東京2020パラリンピックに続く日本選手の活躍が期待されます。そこで、パリを目指す注目選手に、2024年はどんな年にしたいか、聞いてみました!
個性豊かなパラアスリートが輝くとき
2023年に最も脚光を浴びたパラアスリートといえば、17歳の車いすテニスプレーヤー、小田凱人だろう。6月の全仏オープン(男子シングルス)でグランドスラム初優勝を飾ると、世界ランキングも1位になり、7月のウィンブルドン選手権を初制覇。“最年少記録”を次々と打ち立てた。
ナンバーワンになった小田の次なる抱負を聞いてみると……。
「もうひとつ、一番といえばオンリーワンかなと思って。2024年の目標は『Number.1 and Only.1!!』にします」
現在は世界ランキング2位。初めてのパラリンピックは、2023年10月の杭州アジアパラ競技大会を制したことで出場が内定しており、パリでもオンリーワンのプレーを極めてナンバーワンを狙う。
同じく日本代表に内定している卓球の八木克勝も、自分らしさを追求して戦うパラアスリートだ。2度目のパラリンピックでメダルを目指す、今年の抱負は「楽しく!!」。
「スポーツの起源は楽しむための“遊び”なので、2024年を楽しみます。パラリンピックも楽しくいきたいと思います!」
楽しんだ先に、勝利が待っている。
パリの舞台に上がるために
パリの出場権をかけて、これから大一番を迎える選手たちもいる。
パリパラリンピックのアジアオセアニアゾーン予選を兼ねた「2024アジアオセアニアチャンピオンシップス」を控えるのが車いすバスケットボール日本代表だ。男子のベテラン、香西宏昭の目標は「パリでメダル獲得!」。
東京大会で増えた車いすバスケットボールファンの期待に応えるため、そして2大会連続のメダル獲得という大きな目標への挑戦権を得るために、なんとしても出場権を掴みたい。
北京・ロンドン・リオ・東京パラリンピックの4大会に連続出場し、自転車競技で銀メダル3個と銅メダル2個を獲得している藤田征樹も、パリ大会の出場権獲得を狙ってラストスパートをかける。
テーマは「全力前進」。
両足義足のパイオニアは、長くハードなシーズンを全力で駆け抜ける。
可能性に挑戦するパラアスリート
「HEROs AWARD 2023」に出席した車いすテニスの菅野浩二は、東京パラリンピックのクアード・ダブルスで銅メダルを獲得したが、シングルスは4位。メダルの期待がかかるパリに向けては、転戦を重ねて前年よりも世界ランキングを上昇させ、大きな可能性を示した。
12月に開催された「IBSA柔道グランプリ大会 東京2023」の女子48㎏級(J1)で準優勝だった柔道の半谷静香は、報道陣からパラリンピックイヤーをどんな1年にしたいかと聞かれ「実は、年女であり本厄。焦らず着実に、積み上げていく1年にしたい」と話した。
また、全日本パラ・パワーリフティング選手権で女子79㎏級を制した田中秩加香は、めきめきと記録を伸ばし、同競技の日本女子で唯一、パリを狙える位置にいる。
「順調に記録を伸ばし、目標であるパリパラリンピック出場を決められたら……。(ブラインドフットボール代表候補の夫、田中章仁とともに)夫婦で決められたらいいなと思っています」
パリの出場権争いも大詰め。多くのパラアスリートにとって“勝負の年”である2024年はどんな1年になるだろうか。今年もパラアスリートとパラスポーツから目が離せない1年になりそうだ。
※世界ランキングは2024年1月1日時点
text by Asuka Senaga
photo by Hiroaki Yoda