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Sports 競技を知る
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【パラスポーツ!これだけは知りたい】射撃

射撃(パラ射撃)は、数十m先の小さな標的をライフルもしくはピストルで撃ち、得点を競う競技。撃った場所が標的の真ん中に近いほど得点が高い(1発の得点は0点~10.9点)。集中力が試される競技で、「究極のメンタルスポーツ」と言われることも。パラリンピックでは、肢体不自由の選手がプレーする。

クラス分け
ライフル種目では、上肢の障がいのあるなしにより2つのクラスに分かれている。一方、全ての選手が自分の手で銃を持つピストル種目では、クラスは1つのみ。その中で障がいの程度に合わせて使用できる用具に差がつけられている。

競技用具
射撃で使用するライフルやピストルは、一般の射撃とほぼ変わらない。アルミや木が使われており、選手に合わせて調整ができるようになっている。
障がいの程度に合わせて使用する用具があり、ひとつは「背もたれ」。下肢に障がいのある選手は、体を支える体幹の筋肉がどれくらい効くかにより、背もたれの使用ができるかできないか、また使用できる背もたれの高さが変わる。
もうひとつは銃を支えるバネのついた「支持スタンド」。ライフル種目の上肢に障がいのあるクラスでは、腕の筋力の程度によって使用できるバネの強さが変わり、障がいの重い選手ほど、より安定のしやすい支持スタンドを使うことができる。

おさえておきたいルール
射撃には、「伏射」「膝射」「立射」の3つの射撃姿勢がある。銃を支えるときに床(もしくは台)につくのが両肘なのか、片方の肘だけなのか、肘をつかないのかが違いだ。 また、標的までの距離も使用する銃の種類によって変わり、10m、25m、50mの3種類がある。 銃の違い、クラスの違い、射撃姿勢の違いにより、パラ射撃にはたくさんの種目がある。
ここに注目
例えば10mのエアライフルの「立射」の種目では、競技時間1時間15分の中で60発を撃つ。10点になるのは標的の中心の直径0.5mm程度。離れたところにある標的のど真ん中を目指し、一発のミスが勝敗を分ける緊張感の中、60発を撃ち続ける、選手たちの集中力に注目!
パラリンピックでは、1976年のトロント大会から正式競技となっている。パリ2024パラリンピックでは、水田光夏選手が銅メダルを獲得!

text by Parasapo
illustration by Kazue Shima