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ライターが紹介! 2017年パラスポーツのここに注目
リオパラリンピックで盛り上がった2016年。では、2017年はどんな大会があるのだろうか。今年のパラスポーツの見どころを、長年現場を取材するライター、パラサポの広報担当が紹介する。
2017年パラスポーツ界で注目しているできごとは?
ライター星野恭子:
7月に開催されるパラ陸上競技の世界選手権、いわゆる「もうひとつの世界陸上」です。健常の世界陸上と同じく2年に一度、世界王者を競う大会で、今年は史上初めて、両大会が同一会場で行われる記念の年。2012年ロンドンオリンピック・パラリンピックのメインスタジアムが舞台です。パラ世界陸上には昨年のリオパラリンピックメダリストから、悔しい思いをした選手まで世界トップ級の約1,300選手が顔を揃える予定です。「東京2020」を目指す日本人選手にとっても重要なステップ大会です。ライター荒木美晴:
2020年東京パラリンピックから正式競技になるパラバドミントンです。これまで世界選手権とアジアパラ競技大会が二大大会とされており、パラリンピック競技に採用されることは選手や関係者にとって長年の願いでした。世界最高峰の舞台でのメダル獲得を目標に据え、競技に専念できる環境を整えるプレーヤーも増加しており、昨年11月のアジア選手権では多くの選手が表彰台に上がりました。また、今年9月には、東京の町田市でパラバドミントンの国際大会が開催される予定。この競技の国際大会を日本で開催するのは初のことで、多くの人に競技の魅力を伝える機会になるのではと期待しています。
パラサポ広報担当:
リオ後もパラスポーツのニュースが多く取り上げられていました。今年もそれは続くと思うので、これからメディアがどんな発信をしていくのかとても楽しみです。広告やテレビCMなどは、障がいよりもアスリートとしての一面を切り取っているかっこいいビジュアルが増えてきたように感じています。新たなヒーロー、ヒロインも登場するかも!?とワクワクしています。
さいきん注目している若手選手は?
ライター荒木:
車いすテニスの女子選手は10代、20代前半の「東京世代」が“アツい”と感じています。昨年5月の世界国別選手権ジュニア日本代表の船水梓緒里選手(16歳)は、その後シニアに参戦して早くも成績を収め、JWTA国内ランキングでは7位につけている注目選手。 また、昨年の台北オープンや大阪オープンを制した20歳の田中愛美選手、車いすテニスを初めて8ヵ月ながら昨年11月の「全日本選抜車いすテニスマスターズ」準優勝の大谷桃子選手(21歳)ら、勢いある選手の今後の戦いぶりが楽しみです。田中選手と大谷選手は、リオパラリンピックシングルス銅メダリストの上地結衣選手とともに日本スポーツ振興センターが推進する次世代ターゲットスポーツの育成・強化事業のメンバーに選出。今月オーストラリアで開催される国際大会にも出場予定で、国内のライバル対決、そして海外勢とのマッチを経てどう変化し成長していくか、注目しています。
エディター瀬長:
2020年の地元開催で初出場となる団体競技のひとつが、ゴールボール男子日本代表。そんなチームの中で、東京での活躍が期待されるのが高校生の金子和也選手です。昨年12月の日本ゴールボール選手権大会では、世界で戦ってきたベテラン選手たちから集中砲火を浴びる中、歯を食いしばってゴールを守っていた姿が印象的でした。代表生き残りをかけて、オールポジションできる選手を目指しているとのことで、チームの戦略にどんな影響を与えるかも楽しみです。
また、ボッチャや知的障がい者卓球などいままでスポットライトの当たりにくかった競技も、「2020年効果」で若手が増えていると感じています。
ライター星野:
陸上競技の鈴木朋樹選手です。昨年夏、T54(車いす)クラスのトラック中距離種目でリオパラリンピック出場を目指すも、あと一歩で逃したものの、「9月のリオ出場を念頭に組み立てた練習計画をこれからも続けるだけ」と話した同選手。実際、リオ代表最終選考会から1ヵ月後の大会で出場要件に匹敵する好タイムを叩き出し、10月末の大分国際車いすマラソンでも準優勝の快走を見せるなど、有言実行の好調ぶり。ぶれない意思と、やるべきことを淡々とこなせる強さも魅力の、「東京2020」のエース候補です。
3月上旬には韓国でピョンチャンのプレ大会もスタート。冬のパラリンピックに向けて、注目しているチームや選手は?
エディター瀬長:
ピョンチャンの出場を決めればソルトレークシティから5大会連続のパラリンピック出場になるアルペンスキーの森井大輝選手に注目しています。昨シーズン、IPCアルペンスキー・ワールドカップで男子シッティングカテゴリーの総合優勝を果たしたオールラウンダー。日本選手団主将の大役も務めた、2014年のソチでも金メダルは有力視されていましたが、初日の転倒で負傷し、結果は銀1個。ピョンチャンでは「金メダルしか狙っていません」と言い切ります。「森井選手に金メダルを」と一丸になるであろうチームの“表彰台独占”も楽しみ。
そして、今年の3月5日から7日に日本で久々に開催される「IPCアルペンスキーワールドカップ白馬大会」も、パラリンピックのプレ・イヤーということで盛り上がりそうです。
ライター星野:
注目競技はノルディックスキー(クロスカントリースキー、バイアスロン)で、特に阿部友里香選手に期待しています。昨年オフシーズンに過酷なトレーニングに取り組み、脚力や心肺機能が急成長。昨年12月のワールドカップ初戦のクラシカル・スプリントで金メダル獲得と、さっそく結果を出しています。さらなる飛躍が楽しみです。今年はこんな阿部選手を含め、世界トップクラスの走りを間近に見るチャンスも! ワールドカップ最終戦(3月18~22日)が北海道札幌市で初開催の予定です。
ライター荒木:
世界ランキング10位のアイススレッジホッケー日本代表は、昨年12月の世界選手権Bプールで2位となり、ピョンチャンパラリンピック最終予選の出場権を獲得。今秋にも開催されるその最終予選では、4月に行われる世界選手権Aプールの下位3チームを含む6チームで、ピョンチャン行きの「3枚」の切符を争うことになります。日本代表は前回ソチ大会の出場を逃しているだけに、リベンジはこのチームの使命。選手一人ひとりが覚悟を持って、年明け早々から強化合宿に挑んでいました。また、2018年から競技名称が「アイススレッジホッケー」から「パラアイスホッケー」に変更される予定で、2017年は競技名称移行期間として両方の名称使用が認められます。結果を出して、勝者として新たな歴史に名を刻みたいところです。
photo by X-1