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ボッチャ
1ミリのコントロールが勝負を分ける!頭脳派パラスポーツ「ボッチャ」を体験してきた
ライターの真崎です。
6つの赤と青のボール、そして白いボールが1つ。この道具を使ったスポーツ、皆さんはお分かりでしょうか??
そう大正解!ボッチャです。
パラリンピックの公式種目でもあるボッチャ。2016年のリオパラリンピックでは、ボッチャの日本代表チーム、通称「火ノ玉ジャパン」が団体戦で見事、銀メダルを獲得しています。
しかし、火ノ玉ジャパンの活躍、そしてそもそもボッチャという競技自体、「あまり知らなかった」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、基本的なルールをおさらいしながら、ボッチャの面白さとその魅力を伝えたいと思います!初心者 “ボッチャ―” の私も全力で体験してきました!ぜひ、最後までお付き合いください。
ギリギリの距離にボールを落とす頭脳戦
ボッチャとは、イタリア語で「ボール」を意味し、重度脳性まひや四肢重度機能障がいを持つ方などのために考案されてできたスポーツです。
ルールはいたってシンプルで、「自分のボールを、ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールにどれだけ近づけられるか」を競います。
ルールはシンプルですが、「最初のボールをどこに置くか、先の先の先の先の手まで考えてボールを置いていかなければならないんです」と教えてもらいました。
日本ボッチャ協会 関さん vs ボッチャ歴15分の真崎 真剣対決
ルールもわかったところで、関さんとボッチャ対決をしてもらいました。1エンドのみの1本勝負です。
ボッチャ歴15分(ルールを聞いて5~6回ボールを投げただけ)ですが、とりあえず「白ボールの近くに投げたら勝ち!!」とだけ分かれば大丈夫なはず!
ゲーム開始にあたり、先攻になった私がジャックボールを転がします。とりあえず真ん中くらいに投げておこうかな~~っと。
ゴロゴロ……
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ(ピタッ)
お、おお。めちゃくちゃ転がるなぁ。 想定の2.5倍は飛ばしてしまった自分のノーコントロールが憎い。 そして力加減がわりと難しい。
関さんより「あの位置は遠すぎて、ちょっと初心者には難しすぎるのでやり直しましょうか」と優しいご提案。
今度は無事に手前に投げることができました。
さて、いよいよMyボールの投球です。 渾身の第一球目!!
び、びみょう…
我ながらだいぶ不本意な投球だったことを顔面が物語っています。 感覚的には「ボーリングで1本だけ残ってしまったピンを狙う2投目」であり、ボーリングスコア50前後の私にはかなりのハードモード。
そして、続く関さんの第一球目。
ピタッ。
え、上手くない?白にニアピン。やだ怖い。
「まぁ、いちおう経験者ですからね(笑)」っと謙遜している関さん。カンタンカンタン~と安易に挑んだ自分の愚かさよ。
気を持ち直して、続いての投球です。 ここからは、先攻後攻に関係なくジャックボールから遠かった方の投球になります。
ジャックボールから
遠かったほうの
投球になるのですが
まさかの3連続投球な。
あれ~、おっかし~な~~。 投げても投げても私のターンが終わらないな~。
涙をこらえて次の一投。 これが奇跡的な好プレーだったのですが、まさかの写真もビデオも撮られていなかったっていうオチでした。
ようやくここで、関さんの2投目。
私のボールにダイレクトヒット。 そして、続けて関さんの3投目。
ピタッ(2回目)
あれ、デジャヴ? このニアピンさっきも見たよ?
投球に対して、ご本人は不本意そうな反応も見せていました。 これ以上の好プレーを望むんですか。やだこわい。
この後、私のラスト投球と関さんの残りの投球が続いて、終了。
さて問題です。 これは、どちらの勝利になるでしょうか??
いい勝負だったから難問かな~。 白ボールに近い色に得点が入るんだけど、どっちが近いかすごく僅差だな~~。
はい、ぶっちぎりで関さんの勝利です。
どう見たって青が白にピッタリ寄り添っている。スコアは1点。なめてかかって本当にすみませんでした。
まとめ
実際にプレーを体験してみて初めて、「ボッチャは戦略勝負」の意味が少し分かりました。 ジャックボールを転がす位置に、相手ボールの進路妨害。いい意味で「いやらしいプレー」が必要そうです。
初試合は楽しかったですが、ジャックボールを狙うだけで精一杯(そして当たらず)でした。 戦略を意識してプレーできるようになると、あと50000倍くらいはボッチャを楽しめそうです。
ボッチャのルール
◇ボッチャは、1対1の個人戦とペア戦・チーム戦。◇先攻側がコート内にジャックボールを投げる。
◇Vラインを越えたコート内ならどこにジャックボールを転がしてもOK。
◇先攻側がジャックボールに向かって自分のボールを投球。その後、後攻側も自分のボールを投げる。
◇それぞれ1球ずつ投げ終わったら、ジャックボールからより遠い位置に投げた側の選手が、その次の投球を行う。
◇双方が6球ずつ全てのボールを投げ終わったら、いよいよ得点を計算。
◇点数をゲットできるのは、ジャックボールに最も近いボールを投げた側。
◇得点をカウントする際は、相手側の投球でジャックボールに最も近いボールに注目。このボールよりもジャックボールに近い自球の個数が、そのまま得点になる。
◇ここまでの流れを「1エンド」として、4エンド終了時のスコアで勝敗が決定。
他にも細かいルールはたくさんありますが、大まかなゲームの流れはこのようになります。
さらに詳しいルールは『かんたんボッチャガイド』(外部サイト:日本障がい者スポーツ協会)から
text Mutsumi Masaki