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平昌2018冬季パラリンピックが開幕。村岡旗手を先頭に日本代表選手団が入場
9日、午後8時から平昌2018冬季パラリンピックの開会式が行われた。49の国と地域から集まった約570選手が“4年に一度”の舞台で熱戦を繰り広げる。
選手 38人が参加する日本代表選手団は、33番目に入場。旗手の村岡桃佳(アルペンスキー)は、大きく手を振りながら堂々と車いすを漕いだ。
先頭で見た開会式の景色
「ソチで開会式の光景を目にしたとき、すごく感動したんです。『ついにパラリンピックに来たんだなぁ』って。その開会式で先頭を行進できるなんて、すごく光栄なことです」
4年前――。高校生だった村岡は、進学校に通い、勉強漬けの毎日を送っていた。そんななか、土曜の授業が終わると、埼玉から菅平(長野)のスキー場へ移動。集中的にトレーニングを積んで手にしたパラリンピック初出場は、喜びもひとしおだった。「そのときの開会式の景色、今でも忘れられないんです」
その後、早稲田大学に進学し、滑りの技術を磨くことはもちろん、マテリアルの調整にも主体的に取り組むようになった。ワールドカップでも表彰台の常連になり、現在はメダルを狙える位置にいる。「4年前と比べて、自分の中では成長していたと思うけど、(旗手に抜擢され)きちんと周りの人がそれを認めてくれたんだなって。うれしかったですね」
この日、村岡は開会式に先立ち「レースでは常に平静を保ってベストなパフォーマンスを発揮したい」とコメントした。
旗手の大役、緊張を自信に変えたい
今大会は5種目に出場。翌日に競技を控えながらも旗手の大役を引き受けた。その理由には、緊張を自信に変えたい思いも強い。
「(10日に出場する)ダウンヒルは独特の緊張感があるけれど、それがパラリンピックならもっと緊張するかもしれない。ダウンヒルの前日、開会式会場に行かずに、ひとりで開会式のテレビを見るって考えただけで……絶対、その緊張に耐えられない(笑) スキーのことが頭から離れず、モヤモヤしているよりは、ちょっとでも気を紛らわせるほうがいいかなって。旗手を務めるのは、きっと緊張すると思うので、精いっぱい努めて自信にしたいです」
2月末の日本代表選手団結団式・壮行会で「堂々とした姿で、『日本、強いんだぞ』っていうところを示せたらいいなって思います」と話していた通り、村岡の小さな体が大きく見えるような行進だった。
小学校4年生のとき、文集に「パラリンピックに行きたい」と書いていた少女は、その堂々たる姿で旗手の大役を果たすまでに成長した。メダル候補として臨む2度目のパラリンピック。出場するだけで満足するわけではない。今度はメダルを獲りにいく。
text by Asuka Senaga