大会4日目!いよいよ平昌パラリンピック新競技・スノーボードがスタート 個性豊かな日本選手に注目!

大会4日目!いよいよ平昌パラリンピック新競技・スノーボードがスタート 個性豊かな日本選手に注目!
2018.03.12.MON 公開

ソチで初めて実施(このときはアルペンスキーの1種目として実施)されたスノーボード。平昌2018冬季パラリンピックから、正式競技として実施に変更となり、スノーボードクロスとバンクドスラロームで計10種目が行われる。個性豊かな日本選手に注目だ。本競技の見どころと選手の意気込みを伝える。

金メダル有力選手 成田緑夢
「見ている人がドキドキするようなレースを」

スノーボードクロス(男子)はソチ大会(2014年)では、下肢障がいカテゴリーのみが行われ、アメリカが表彰台を独占。Evan Strong(金)、Mike Shea(銀)、Keith Gabel(銅)は全員が今回も出場。
そんななかでEvan Strong が「ライバル」と警戒するのが日本の成田緑夢(LL2クラス)だ。

成田はパラリンピックにピークを持っていくことはせず、今シーズンは、「平均点を上げる」を目標に掲げてきた。今シーズンは障がいのある左足のブーツを、(スノーボードのソフトブーツから)硬いアルペンスキーブーツに変え、左のターンの調子がよくなったといい、転倒も減った。その結果、ワールドカップ年間優勝を獲得する活躍。「先行逃げ切り型」の成田は、「見ている人がドキドキするようなレースを見せたい」と話している。

だが、平昌は気温の上昇により、表面が柔らかくなっており、初の金メダルに向けて楽観視はできない。「選手が走るにつれて、バンクの内側に水分がたまってくる。そこにスノーボードがつっこんでしまうと、大幅に減速するのでラインやポジションを工夫しなければならない」(二星謙一ヘッドコーチ)という。
バンクのインサイドを滑るのが好きという成田にとって難しい条件。だが、大会や練習で弱点をつぶすチャレンジをしてきた成田は2月に吹雪のなか行われた「第4回全国障害者スノーボード選手権&サポーターズカップ」(メイン写真)で優勝した。
その際、こんなコメントを残している。
「いつもはインに行くんですが、今日はアウトという初の試みをした上で優勝することができた」

用具なども改良した成田には金メダルの期待がかかる。 アジア人として初のオリンピック・パラリンピック両方出場という夢を掲げる。その第一歩をメダルという形で世界へアピールしたい。

義足を見せて滑る!LL1クラスの小栗大地
「楽しいコースで、てっぺん目指す」

元プロボーダーであり、アルペンスキー経験のある小栗大地(LL1クラス)はターンが持ち味。
成田同様「第4回全国障害者スノーボード選手権&サポーターズカップ」で優勝。「公式練習などでは荒れたコースにやられてしまった。その辺を対応できるようにこれから練習していきたい」と話していた。
また、本番前は、苦手だというスタートセクションを調整してきた。
平昌のコースを試走し、「今までのワールドカップに比べるとスタートがそれほど難しくなく、得意なバンクが多い」と話しており、自信を持ってスタートに立つ。11日に選手村で行われた記者会見では「楽しいコースなので、てっぺん目指して悔いのない走りする」と力強くコメントした。

「第4回全国障害者スノーボード選手権&サポーターズカップ」(大腿義足クラス)で優勝した小栗  ©Wanibe Haruo

夏冬パラリンピアンの山本篤
「自分自身がライバル」

LL1クラスに出場する山本篤は、陸上競技で北京、ロンドン、リオパラリンピックに出場し、リオでは走り幅跳び(大腿切断などのクラス)で銀メダル、4×100リレーで銅メダルを獲得した義足のトップアスリートだ。

脚を切断する前にスノーボードに親しんでいたこともあり、平昌パラリンピック出場にチャレンジ。追加選手入りという形で挑戦権を得た。今シーズンはケガもあり、思うような練習ができなかったというがポテンシャルは高く、本人も本番での巻き返しを誓っている。

11日の会見では「夏は3度出ていますが、冬は初めて。夏の経験をいかし、ワクワクドキドキしながら自分らしく滑りたい」と語っている。

個性豊かな選手が揃うスノーボード日本勢。3人に共通しているのは「挑戦する姿を多くの人に見せたい」という強い思いだ。冬季パラリンピックの新しい競技、スノーボードにご注目を!

前日記者会見に出席した(左から)二星HC、小栗、成田、山本

【スノーボードクロス】 スリル満点!バトルもあり

予選はタイムトライアル方式で一人ずつコースを2本(女子LL2、男子UL、男子LL1は1本のみ)滑り、一番速いタイムの結果で決勝ラウンドに進出できるか決まる。決勝ラウンドは、予選タイムで組分けされた2名一組の選手が同時にスタート。勝った方が次に駒を進めるトーナメント方式で行う。

【バンクドスラローム】 コースを制する者が勝つ! 

バンクドスラロームは、選手が一人ずつ3回滑り、最も速い1本のタイムで順位を争う。起伏を攻略し、最速タイムでゴールするものがチャンピオンになる。

実施クラス:
UL(上肢障がい)
LL1(重度の下肢障がい)
LL2(軽度の下肢障がい)
※女子はLL1、LL2のみ
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