前例のない大会で日本選手たちは輝いた! 東京2020パラリンピックが閉幕
1年延期を経て開催された東京2020パラリンピックは5日、全ての日程を終えて幕を閉じた。
この日、オリンピックスタジアムで行われた閉会式で、次回3年後の開催地であるフランス・パリにパラリンピック旗が引き継がれた。
閉会式のコンセプトは「すべての違いが輝く街」。入場した各国の旗手がスカイツリーのオブジェに小さな鏡を貼り、東京の街を完成させていった。
日本の旗手は、開会式に続き、卓球の岩渕幸洋が務めた。
日本は金メダル13個を含む51個のメダルを獲得し、金メダルランキング11位の大躍進。車いすテニスの男子シングルスで2大会ぶりに金メダルを奪還した、日本代表選手団主将の国枝慎吾(閉会式は不参加)は、テレビやインターネットで応援した国民に感謝を述べたうえで「パラスポーツをさらに普及、発展させるためには、東京パラリンピックが終着点ではなく、通過点でなくてはならない」と今後に向けた思いを語っている。
また、東京大会で新競技となったバドミントンで単複2冠を達成した里見紗李奈は「みなさんの応援がとても力になりました」、トライアスロンと陸上競技(マラソン)の2種目に出場した土田和歌子は「挑戦することの意義と価値を感じる素晴らしい大会でした」、閉会式で日本国旗を運ぶベアラーを務めた陸上競技の佐藤友祈は「2種目で金メダルを獲得することができました。次は世界記録を更新しての金メダルを必ずとります」とコメントを寄せている。
多様性と調和を象徴する日本代表も大きな成果
閉会式から一夜明けて行われた日本代表選手団の団旗返還式では、河合純一団長が「1年延期という前例のない中、大変有意義で、大きな成果を挙げることができた。多様性と調和を象徴する日本代表選手団が全力で取り組んだ証」とあいさつ。最後は「無事に13日間を送ることができたことが何より」と涙で声を詰まらせた。
大会は無観客で行われたが、国内ではオリンピックの熱を引き継ぎ、多くの人たちがテレビやインターネットで観戦。史上最高の銀メダルを獲得した車いすバスケットボール男子、2大会連続でメダルを獲得した車いすラグビー、パラリンピック特有の競技であるボッチャとゴールボールなどがSNSを中心に話題になった。
text by Asuka Senaga
key visual by Getty Images Sport