-
- 競技
-
アルペンスキー
-
スノーボード
-
クロスカントリースキー
平昌メダリストも参戦! 日本障害者スキー連盟主催の交流イベント(前編)
冬季パラリンピックシーズンでもあった2017-18シーズンが幕を閉じた。アルペンスキー、ノルディックスキー、スノーボードの国内統括団体である日本障害者スキー連盟は、4月7日から8日の日程で「第1回JPSスポンサーカップ」を開催。例年スポンサーに活動を報告する目的で開催しているシーズン報告会を、今回はゲレンデで行い、それぞれが交流を深めた。
申告タイムとの差を競うアルペンレース
上越新幹線・越後湯沢から送迎バスなどでニュー・グリーンピア津南に集まった参加者たち。スキーウエアに着替え、ホテル前のゲレンデで行うアルペンのレースに備えた。雨天により開始がやや遅れたものの、レースは無事にスタートを迎えることに。エントリーした38人はスノーボードやスキー板に乗り、まずはインスペクションでコースを下見した。
競技は2本滑るが、1本目を終えた後に、「自身の2本目のタイム」と「基準タイム」の差を予測して申告し、その差の小ささを競うというもの。今回は、平昌2018冬季パラリンピック(アルペンスキー/滑降)銀メダルのチェアスキーヤー森井大輝のタイムが基準になり、その森井は1本目から35秒43のスピードで参加者をヒートアップさせた。
オリンピックメダリスト&パラリンピックのレジェンドの華麗な滑りも
1本目を終えると、参加者らの緊張も和み、フィニッシュエリアでは平昌パラリンピックの日本代表選手団の団長でアルペンスキーの金メダリストである大日方邦子氏らを中心に笑顔が広がっていく。さらに、スポンサー企業からの参加者や競技団体のスタッフらがハイタッチして健闘を称えあう姿も見られた。また、日本障害者スキー連盟会長で1956年コルチナ・ダンペッツォオリンピック銀メダリストの猪谷千春氏も華麗な滑りを披露し、見るものを喜ばせた。
トップ選手も競技未経験者も楽しんだ
「ポールの立て方など、普段のレースとはまた違った面白いコースで、インスペクションからほかの選手たちと大盛り上がりでした!」と話したのは、平昌パラリンピック日本代表の本堂杏実。オフにリフレッシュできたという大学生の本堂は、まもなく4年後に向けて始動するという。
また、選手の家族で、一歳の息子を抱きかかえながら斜面を滑り降りた石井香織さんは「平昌はネットなどをこまめにチェックして応援していた。その選手たちと同じレースで滑れて楽しい」と笑顔で話す。
平昌パラリンピック・スノーボードチームの二星謙一ヘッドコーチは元スノーボードのアルペン選手。攻めの滑りで好タイムをマークし、「久しぶりのアルペンを楽しめた」と笑顔をこぼし、スノーボードチームの今後について「平昌(の活躍で)でこの競技を知ってもらったと思うので、この盛り上がりを継続させて新しい選手を発掘できたら」と意気込みを語った。
そんななか、栄えある初代チャンピオンに輝いたのは、日本財団パラリンピックサポートセンターの前田有香。申告タイムと実走タイムがわずか0.6秒差という驚きの記録で、選手によるサイン色紙などの賞品を手にした。
「スキーはレクレーションで5年以上前に何回か滑った程度。そんな私でも優勝できるこのルール(申告申告タイムとの差を競うルール)は、年齢や障がいの有無など関係なく楽しめてすごくいいと思った。選手や競技団体の皆さんとの距離が近くなり、ますます応援したくなった!」と実感を込めた。
まさにトップ選手から競技未経験者まで楽しんだレースとなった。
<後編へ続く>