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平昌メダリストも参戦! 日本障害者スキー連盟主催の交流イベント(後編)
パラリンピアンとの交流も楽しみ
レースには、ソチとバンクーバーの金メダリストで平昌にも出場した狩野亮、義足のスノーボーダーとして平昌で冬季パラリンピック初出場を果たした山本篤らも参加した。
夏季のリオパラリンピック陸上競技のメダリストでもある山本は、イベントの意義をこう語る。
「いろんな種目の人と交流できたし、スポンサーの人たちと『一緒にやりましょう』と和気あいあいとできる、すごくいい機会だった。スノーボードチームのスポンサーさんにも一緒に写真を撮ろうと声をかけてもらえてありがたかった」
選手と交流したのはスポンサーだけではない。前走を務めた地元・津南町の12歳・涌井泉香さんはパラアスリートの滑りを初めて目にした。平昌パラリンピックのアルペンスキー女子座位全5種目でメダルを獲得した村岡桃佳らチェアスキーの選手を見て「バランスが取れていてすごい! パラリンピックの選手たちを真似てもっと速く滑れるようになりたい」と声を弾ませた。
「転んで楽しい」クロカンの魅力
続いて、約10人の希望者が集まり、視覚障がい選手のガイドスキーヤーとして平昌パラリンピックに出場した藤田佑平によるクロスカントリースキーのレッスンを受けた。
ほぼ全員が初心者ということもあり、レッスンはクラシカル走法のスキー板を履くところから始まり、体力のきつい上りやコツが必要な下りなど合計3kmほどの距離を滑った。「転びながら、クロスカントリースキーの魅力を感じて」と藤田。雨模様だった天気もいつの間にか上向き、最後は3チームに分かれたリレーで白熱した。
大学でコーチングを学ぶ藤田は、体験会を終えて「楽しさを伝えられたのが一番。この機会にクロカンに興味を持ってもらえたかな」と手ごたえを話しつつ、「今回はアイマスクなどを着用する時間がなかったので、また機会があったらぜひ体験してもらいたい」と力を込めた。
チェアスキーのショックアブソーバを開発するKYB株式会社の森健さんは、クロスカントリー初体験だった。「足首が疲れたので鍛えなきゃ!と思った。ロケーションも爽快感も抜群。テレビで見ていた選手にも会えて想像以上に楽しかったので、次回はぜひ会社のメンバーを誘いたい」と話してくれた。
夕刻にはそれぞれの願いを込めてスカイランタン(点灯上げ)を行い、その後の懇親会でもスポンサーや選手、関係者の交流は続いた。
「今までこういったイベントに参加したいと思いつつなかなかできなかった。スポンサーさんや地元の子どもたちと交流できてうれしい」(村岡)と話した選手たちにとっても、これからの励みとなるイベントだったに違いない。
text by Asuka Senaga