パラリンピックとは

パラリンピックとは

パラリンピックは世界最高峰の障がい者スポーツ大会で、トップアスリートが高いパフォーマンスを競う世界的なイベント。オリンピックと同じく、夏季・冬季大会がそれぞれ4年に一度、オリンピックの終了後に同じ場所で開催される。

オリンピック、サッカーワールドカップに次ぐ、世界で3番目に大きなスポーツイベントとも言われている。

パリ2024パラリンピック振り返り

2024年8月28日の開会式から9月8日閉会式まで12日間にわたり開催されたパリ2024大会。
「Games Wide Open」(広く開かれた大会)をスローガンに、 19の会場のうち6会場がヴェルサイユ宮殿やエッフェル塔などの世界遺産、これまで競技場で行われていた開会式を大会史上はじめて競技場外で行うなど、パリらしさが満載の大会に。

シャンゼリゼ通りの写真
photo by Kyodo News via Getty Images
オリンピックはセーヌ川で、パラリンピックはシャンゼリゼ通りからコンコルド広場にかけて行われた。写真右手前が、シャンゼリゼ通りを行進する日本代表選手団

パリ2024大会のオリンピックとパラリンピックを比較

1.参加国・地域など
  • オリンピック

    207の国と地域など

  • パラリンピック

    167の国と地域など

豆知識

2016年のリオ大会で開催された大会から2024年のパリ大会まで3大会連続で、難民選手団がオリンピック、パラリンピックに参加しています。
パリ2024大会では、オリンピックには36人、パラリンピックには8人の選手と1人のガイドランナーが出場しました。

2.競技・種目数
  • オリンピック

    32競技329種目

  • パラリンピック

    22競技549種目

3.参加選手数
  • オリンピック

    約10万人

  • パラリンピック

    約4千人

4.日本代表選手団選手数
  • オリンピック

    409人

  • パラリンピック

    175人

5.日本代表選手団メダル数
  • オリンピック

    金20 
    銀12 
    銅13

  • パラリンピック

    金14 
    銀10 
    銅17

車いすラグビー日本代表の写真
photo by Takamitsu Mifune
ゴールボール男子の写真
photo by Hiroyuki Nakamura
車いすテニス・小田凱人選手の写真
photo by Takamitsu Mifune
卓球・和田なつき選手の写真
photo by Hiroyuki Nakamura

日本代表選手団は22競技中、21競技に出場し、41個(金14、銀10、銅17)のメダルを獲得。
団体競技では、車いすラグビー日本代表が悲願の金メダル、ゴールボール男子は初のメダルが金メダルとなった。個人競技では、パラリンピック初出場の車いすテニス・小田凱人選手が男子シングルスで史上最年少18歳で金メダル、同じく初出場の卓球・和田なつき選手は女子シングルスで金メダルを獲得。

パリ大会のこれまでになかった
レガシー&サステナビリティ戦略

サステナブルな会場

競技施設の95%は既存または仮設の建物を使用。100%再生可能エネルギーを使用。

会場の写真
photo by AFLO SPORT 
エッフェル塔のふもとには仮設のスタジアムが設置され、ブラインドフットボールの会場となった

ジェンダー平等

出場選手、ボランティアスタッフなど関係者の男女比率を50%ずつにするという目標を掲げた。

観客も環境に配慮

使い捨てプラスチックの削減のため、マイボトルに無料で給水できるスポットが1200ヵ所以上設置された。また、観客の移動手段を公共交通機関・自転車・徒歩に限定し、移動による二酸化炭素の排出量を削減。

マイボトルの写真
photo by AFLO SPORT 
ペットボトル削減のため、パリ市内に1200ヵ所もの無料給水スポットが設置された

選手村

パリの貧困地区と言われるエリアに選手村を建設、大会終了後は、低所得層や学生向けの集合住宅、オフィスに活用される予定。

選手村の写真
photo by AFLO SPORT 
選手村が置かれた場所は、地元では貧困地区と言われるエリア。そうした場所や地元企業に還元していくために、大会をどう設計すればよいかが重視された

150もの国から集まった
ボランティア、
うち5%は障がいのある人たちも

世界各国から集まった4万5千人のボランティア。ボランティア向けの研修では、世界から観客を迎えるにあたり、ある国、ある文化では自然なことが、他の人にとっては必ずしもそうではない、例えばちょっとした腕や手のジェスチャーは、国によって意味が違うことなど、多様性を考慮した研修も実施。

笑顔で自分たち自身も大会を楽しんでいるボランティア
photo by Haruo Wanibe
笑顔で自分たち自身も大会を楽しんでいるボランティアが、パリ大会の最高の雰囲気をつくった

パラリンピックの歴史

パラリンピックの原点は、第二次世界大戦(1939~1945年)後にさかのぼる。
戦争で負傷した兵士の治療と社会復帰を目的としたイギリス・ロンドン郊外のストーク・マンデビル病院の医師ルードヴィッヒ・グットマン卿により、1948年ロンドンオリンピックにあわせて、院内で16名の車いす患者によるアーチェリー大会を開催したことがはじまりとされている。
1960年ローマオリンピックの同年に、ローマで行われた大会(第9回ストーク・マンデビル大会)を、後に第1回パラリンピックと位置づけ、1964年東京大会(第13回国際ストーク・マンデビル競技大会)が第2回パラリンピックとなった。
2021年には、東京2020大会が新型コロナウィルスの感染拡大による1年の延期を経て開催された。同一都市で夏季大会2回目の開催は、世界初のケースとなった。

1964年に東京で開催された第2回パラリンピック大会。世界から約370選手が集まった

パラリンピックの
名前の由来(*)

「パラリンピック(Paralympic Games)」が正式名称になったのは、1988年のソウル大会から。現在はギリシャ語のパラ=Para(沿う、平行)+Olympic(オリンピック)とし、もう一つのオリンピックとして解釈れている。
当初、「パラリンピック」は「オリンピック開催年にオリンピック開催国で行われる国際ストーク・マンデビル大会」=「Paraplegia(対まひ者)」の「Olympic」=「Paralympic」という発想から、東京大会の際に日本で名付けられた愛称であったが、1985年、IOCは国際調整委員会(ICC)がオリンピック年に開催する国際身体障がい者スポーツ大会を「Paralympics(パラリンピックス)」と名乗ることに同意。従来のパラリンピックという言葉は、対まひ者のオリンピックという意味であったことから、身体障がい者の国際大会になじまなかったため、現在の解釈へと変わった。

パラリンピックの
シンボル(*)

「アギト」とは、ラテン語で「私は動く」 という意味で、困難なことがあってもあきらめずに、限界に挑戦し続けるパラリンピアンを表現している。 この三色は、世界の国旗で最も多く使用されている色ということで選ばれた

photo by Getty Images Sport
パラリンピックのシンボルマーク「スリーアギトス」

パラリンピックの4つの価値

国際パラリンピック委員会(IPC)は、パラリンピックに出場するアスリートたちが持つ力こそがパラリンピックを象徴するものであるとし、以下の4つの価値を掲げている。

※IPC発表の英語表記は「Equality」でありその一般的な和訳は「平等」ですが、「平等」な状況を生むには、多様な価値感や個性に即した「公平」な機会の担保が不可欠です。そしてそのことを気づかせてくれるのがパラリンピックやパラアスリートの力である、という点を強調するため、IPC承認の下、あえて「公平」とされています。

パラリンピックの開催地(*)

夏季競技大会

開催年 開催都市 開催国 正式名称 参加国数 参加選手
人数
実施競技 日本選手団人数
第1回 1960年 ローマ イタリア 第9回国際ストーク・マンデビル競技大会 23か国 400名 8競技 日本不参加
第2回 1964年 東京 日本 第13回国際ストーク・マンデビル競技大会 21か国 374名 9競技 84名(選手53名、役員31名)
第3回 1968年 テルアビブ イスラエル 第17回国際ストーク・マンデビル競技大会 29か国 750名 10競技 63名(選手37名、役員26名)
第4回 1972年 ハイデルベルク 西ドイツ 第21回国際ストーク・マンデビル競技大会 43か国 984名 10競技 37名(選手25名、役員12名)
第5回 1976年 トロント カナダ TORONTO OLYMPIAD 40か国 1,657名 13競技 51名(選手37名、役員14名)
第6回 1980年 アーネム オランダ OLYMPICS FOR THE DISABLED HOLLAND '80 43か国 1,973名 13競技 50名(選手37名、役員13名)
第7回 1984年 ニューヨーク アメリカ 第7回国際身体障害者スポーツ大会 45か国 1,800名 18競技 27名(選手17名、役員10名)
ストークマンデビル イギリス 41か国 1,100名 54名(選手35名、役員19名)
第8回 1988年 ソウル 韓国 SEOUL PARALYMPICS 60か国 3,057名 17競技 184名(選手141名、役員43名)
第9回 1992年 バルセロナ スペイン バルセロナ1992パラリンピック競技大会 83か国 2,999名 16競技 107名(選手75名、役員32名)
第10回 1996年 アトランタ アメリカ アトランタ 1996 パラリンピック競技大会 104か国 3,259名 17競技 123名(選手81名、役員42名)
第11回 2000年 シドニー オーストラリア シドニー2000パラリンピック競技大会 123か国 3,879名 18競技 240名(選手151名、役員89名)
第12回 2004年 アテネ ギリシャ アテネ2004パラリンピック競技大会 135か国 3,808名 19競技 271名(選手163名、役員108名)
第13回 2008年 北京 中国 北京2008パラリンピック競技大会 146か国 3,951名 20競技 294名(選手162名、役員132名)
第14回 2012年 ロンドン イギリス ロンドン2012パラリンピック競技大会 164か国 4,237名 20競技 255名(選手134名、役員121名)
第15回 2016年 リオデジャネイロ ブラジル リオ2016パラリンピック競技大会 160か国 4,328名 22競技 230名
(選手132名、競技パートナー15名、
競技団体役員・コーチ65名、本部役員18名)
第16回 2021年 東京 日本 東京2020パラリンピック競技大会 162国・地域 4,393名 22競技 463名
(選手254名、競技パートナー23名、
コーチ・スタッフ164名、
本部役員スタッフ22名)
第17回 2024年 パリ フランス パリ2024パラリンピック競技大会 167国・地域 4,442名 22競技 330名
(選手175名、競技パートナー19名、
競技スタッフ107名、本部スタッフ29名)
第18回 2028年 ロサンゼルス アメリカ ロサンゼルス2028パラリンピック競技大会 未定 未定 未定 未定

冬季競技大会

開催年 開催都市 開催国 正式名称 参加国数 参加選手
人数
実施競技 日本選手団人数
第1回 1976年 エンシェルツヴィーク スウェーデン 第1回国際身体障害者冬季競技大会 16か国 198名 2競技 不参加(深沢定美(長野県・男性)さん
が個人参加)
第2回 1980年 ヤイロ ノルウェー 第2回国際身体障害者冬季競技大会 18か国 299名 3競技 11名(選手5名、役員6名)
第3回 1984年 インスブルック オーストリア 第3回国際身体障害者冬季競技大会 21か国 419名 3競技 21名(選手12名、役員9名)
第4回 1988年 インスブルック オーストリア 第4回国際身体障害者冬季競技大会 22か国 377名 4競技 27名(選手14名、役員13名)
第5回 1992年 アルベールビル フランス アルベールビル1992パラリンピック冬季競技大会 24か国 365名 3競技 38名(選手15名、役員23名)
第6回 1994年 リレハンメル ノルウェー  リレハンメル1994パラリンピック冬季競技大会 31か国 469名 5競技 63名(選手27名、役員36名)
第7回 1998年 長野県 日本 長野1998パラリンピック冬季競技大会 31か国 562名 5競技 141名(選手70名、役員71名)
第8回 2002年 ソルトレークシティ アメリカ ソルトレーク2002パラリンピック冬季競技大会 36か国 415名 4競技 76名(選手36名、役員40名)
第9回 2006年 トリノ イタリア トリノ2006パラリンピック冬季競技大会 38か国 474名 5競技 90名(選手40名、役員50名)
第10回 2010年 バンクーバー カナダ バンクーバー2010パラリンピック冬季競技大会 44か国 502名 5競技 94名(選手41名、役員53名)
第11回 2014年 ソチ ロシア ソチ2014パラリンピック冬季競技大会 45カ国 541名 5競技 55名(選手 20名、
コーチ・役員 22名、本部役員13名)
第12回 2018年 平昌 韓国 平昌2018パラリンピック冬季競技大会 49か国 567名 6競技 86名(選手38名、競技ガイド1名、
競技役員・コーチ35名、本部役員12名)
第13回 2022年 北京 中国 北京2022パラリンピック冬季競技大会 46か国 558名 6競技 日本選手団人数:73名(選手29名、
競技パートナー1名、
コーチ・スタッフ29名、本部役員14名)
第14回 2026年 ミラノ イタリア ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会 45か国
(見込)
665名
(見込)
6競技 未定
コルティナダンペッツォ

パラリンピックの実施競技(*)

夏季競技大会公式競技(第11回大会以降)

競技名 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回
2000年 2004年 2008年 2012年 2016年 2021年 2024年
シドニー アテネ 北京 ロンドン リオデジャネイロ 東京 パリ
アーチェリー
陸上競技
車いすバスケットボール
自転車競技
馬術
パワーリフティング
水泳
車いすフェンシング
車いすラグビー
車いすテニス
柔道
ブラインドフットボール(5人制サッカー) -
7人制サッカー - -
セーリング - -
射撃
ゴールボール
卓球
シッティングバレーボール
ボッチャ
ローイング(ボート) - -
カヌー - - - -
トライアスロン - - - -
バドミントン - - - - -
テコンドー - - - - -

冬季競技大会公式競技(第8回大会以降)

競技名 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回
2002年 2006年 2010年 2014年 2018年 2022年 2026年
ソルトレークシティ トリノ バンクーバー ソチ 平昌 北京 ミラノ・コルティナ
アルペンスキー
クロスカントリースキー
バイアスロン
アイスホッケー(アイススレッジホッケー)
車いすカーリング -
スノーボード - - - -

日本のメダル獲得数(*)

夏季競技大会

開催年 開催都市 開催国 正式名称 日本の成績
メダル
ランキング
第1回 1960年 ローマ イタリア 第9回国際ストーク・マンデビル競技大会 日本不参加
第2回 1964年 東京 日本 第13回国際ストーク・マンデビル競技大会 1個 5個 4個 10個 13位
第3回 1968年 テルアビブ イスラエル 第17回国際ストーク・マンデビル競技大会 2個 2個 8個 12個 16位
第4回 1972年 ハイデルベルク 西ドイツ 第21回国際ストーク・マンデビル競技大会 4個 5個 3個 12個 15位
第5回 1976年 トロント カナダ TORONTO OLYMPIAD 10個 6個 3個 19個 14位
第6回 1980年 アーネム オランダ OLYMPICS FOR THE DISABLED HOLLAND '80 9個 10個 7個 26個 16位
第7回 1984年 ニューヨーク アメリカ 第7回国際身体障害者スポーツ大会 9個 7個 8個 24個 22位
ストークマンデビル イギリス
第8回 1988年 ソウル 韓国 SEOUL PARALYMPICS 17個 12個 17個 46個 14位
第9回 1992年 バルセロナ スペイン バルセロナ1992パラリンピック競技大会 8個 7個 15個 30個 16位
第10回 1996年 アトランタ アメリカ アトランタ 1996 パラリンピック競技大会 14個 10個 13個 37個 10位
第11回 2000年 シドニー オーストラリア シドニー2000パラリンピック競技大会 13個 17個 11個 41個 12位
第12回 2004年 アテネ ギリシャ アテネ2004パラリンピック競技大会 17個 15個 20個 52個 10位
第13回 2008年 北京 中国 北京2008パラリンピック競技大会 5個 14個 8個 27個 17位
第14回 2012年 ロンドン イギリス ロンドン2012パラリンピック競技大会 5個 5個 6個 16個 24位
第15回 2016年 リオデジャネイロ ブラジル リオ2016パラリンピック競技大会 0個 10個 14個 24個 64位
第16回 2021年 東京 日本 東京2020パラリンピック競技大会 13個 15個 23個 51個 11位
第17回 2024年 パリ フランス パリ2024パラリンピック競技大会 14個 10個 17個 41個 10位

冬季競技大会

開催年 開催都市 開催国 正式名称 日本の成績
メダル
ランキング
第1回 1976年 エンシェルツヴィーク スウェーデン 第1回国際身体障害者冬季競技大会 日本不参加
第2回 1980年 ヤイロ ノルウェー 第2回国際身体障害者冬季競技大会 0個 0個 0個 0個 -
第3回 1984年 インスブルック オーストリア 第3回国際身体障害者冬季競技大会 0個 0個 0個 0個 -
第4回 1988年 インスブルック オーストリア 第4回国際身体障害者冬季競技大会 0個 0個 2個 2個 14位
第5回 1992年 アルベールビル フランス アルベールビル1992パラリンピック冬季競技大会 0個 0個 2個 2個 19位
第6回 1994年 リレハンメル ノルウェー  リレハンメル1994パラリンピック冬季競技大会 0個 3個 3個 6個 18位
第7回 1998年 長野県 日本 長野1998パラリンピック冬季競技大会 12個 16個 13個 41個 4位
第8回 2002年 ソルトレークシティ アメリカ ソルトレーク2002パラリンピック冬季競技大会 0個 0個 3個 3個 22位
第9回 2006年 トリノ イタリア トリノ2006パラリンピック冬季競技大会 2個 5個 2個 9個 8位
第10回 2010年 バンクーバー カナダ バンクーバー2010パラリンピック冬季競技大会 3個 3個 5個 11個 8位
第11回 2014年 ソチ ロシア ソチ2014パラリンピック冬季競技大会 3個 1個 2個 6個 7位
第12回 2018年 平昌 韓国 平昌2018パラリンピック冬季競技大会 3個 4個 3個 10個 9位
第13回 2022年 北京 中国 北京2022パラリンピック冬季競技大会 4個 1個 2個 7個 9位

(*)出典:国際パラリンピック委員会(IPC)WEBサイト、日本パラリンピック委員会(JPC)WEBサイト